2022.12.21

D2C・EC支援のいつも、ライブコマースアプリ提供のピースユー買収へ 「ライブ販売×EC」に本格参入

いつもはこのほど、ライブコマース特化アプリを運営するピースユーの持分を100%譲り受けることに合意した。本M&Aにより、今後成長が見込まれるライブコマース市場に本格参入し、これまでECでは実現できなかったデジタル接客による購買体験の質向上を目指す。

D2C・EC支援を手がけるいつもは、日本で有数の流通額を誇るライブコマースサービス「ピースユーライブ」を運営するピースユーのM&Aに合意した。

「ピースユーライブ」では、配信者はリアルタイムの映像配信による商品紹介・販売を行うことができる。一方、視聴者は、配信や商品の閲覧から商品購入までをアプリ内でシームレスに完結できる。2020年9月のサービス開始から急速に成長を遂げ、商品取引数250万回、ライブ視聴時間200万時間を達成している。数多くのライブ配信者や出品企業を抱え、延べ2000人以上のライバーが登録しており、アパレル、コスメ、食品、雑貨など多岐に渡るジャンルの商品を販売。「OMO」としての店舗からの配信や、「越境EC」として国をまたいだライブコマースによる販売、観光客が減少した観光地からの配信による「地方創生」など、独自の事例を多数生み出している。


▲「ピースユーライブ」のイメージ

いつもは、本M&Aにより、「ピースユーライブ」が保有する販売力のあるライバー、および購入意欲の高いユーザーの強いコミュニティ資産と、自社が保有するEC専門人材、EC販売ノウハウを融合させることで、さらなるライブコマースサービスの成長を見込むとしている。

ライブコマース市場は、中国を筆頭に急速に成長を遂げており、2021年の中国のライブコマースは43兆1243億円、米国では1兆3970億円と推定されている。日本でも成長が見込まれる市場として注目を集めており、ライブコマース市場規模の2027年の最大値予想は5893億円と見込まれている。大手小売企業がライブコマースで配信を行う店舗を全国に拡大する事例や、自社ECサイトでのライブコマース実施、インスタライブなどのSNS活用など、ライブコマースによる国内販売事例も増加している。

【ライブコマース市場規模の推移】


いつもは、SNSの普及により、商品の機能だけを見て「何を買うか」ではなく、「誰から買うか」を重視する形へと、買い物体験は今後ますます変化が予想されるとし、いち個人が商品販売やブーム・トレンドに影響を与えはじめた1990年代のカリスマ店員ブームから始まったこの変化について、近年の主流はSNSやYouTubeなどのインフルエンサーであり、今後はライブコマース販売員にシフトしていくと推察している。

ブランドメーカーに対するD2C・EC支援の一環として、様々なライブコマースの企画・実行支援を行ってきた同社は、今回のピースユー社のM&Aにより、「商品の魅力をライブ動画で説明し、売ることのできる、店舗やライバー」を短期間に多数確保できるとし、日本全国の中小企業・大手企業問わず、特徴的に優れた製品、手間をかけて作られた特産物などをそうした「ライバー」と販売していきたいとしている。

コロナ禍で店舗への来店者や店舗での販売が減少した小売り店舗に対しても、「商品の色やサイズを詳しく知りたい」「店員による使い方のアドバイスが聞きたい」といった消費者ニーズへの解決策として、ライブコマースでの「デジタル接客」を導入していく考えを示した。ピースユーで活躍する「売る力を持つ店舗・ライバー」を一層増やし、全国の企業への「ヒト×EC」マーケティングの提供を目指す。

今回のM&Aにあたり、ピースユー 代表社員の大山裕二氏は、「あらゆる商品が溢れる今のEC市場では、商品をただ探すだけでなく“誰から買うか”が大事になってくると考えています。ライブコマースでは気に入ったライバーや信頼出来るライバーからお買い物したいという視聴者さんがたくさんいらっしゃいます。EC事業者様のクライアントを多く抱えるいつも社と、ピースユーのライバーが組み合わさることで、これまでにない買い物体験を実現出来ると考えています。今後、協力し合いながら日本のライブコマース市場を盛り上げていきたいと思っています」とコメントした。

同じくピースユー 代表社員の木村和人氏は、「人や商品にファンが付き売れる時代に、ライブコマースはモノの魅力を伝える最善の方法だと考えています。個人でも気軽に始められる『ピースユーライブ』の特性と、企業との繋がりの強い、いつも社の力を合わせれば、日本最大のECプラットフォームにもなり得ると思い、M&Aを決意しました。『ピースユーライブ』の成長に向け、共に盛り上げていきたいと思います」と述べた。

いつもの望月智之取締役副社長は「国内有数規模のライブコマースアプリを運営するピースユーと共に、本事業に参入できることを嬉しく思います。ここ数年で高まっている、メーカーや小売企業のライブコマース販売へのニーズに応えられるよう、当社とのシナジーでECプラットフォームの拡大成長を目指していきます」とコメントした。




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