2022.12.15

厚生労働省、健康食品の危害情報の収集・公開を仕組化 成分・製品名は原則非公開に

厚労省は健康食品の危害情報収集を仕組化へ


厚生労働省は12月12日、いわゆる健康食品の危害情報について、情報収集と公開の方法を仕組化する方針を示した。今後、厚労省が、各都道府県からの危害情報を収集・蓄積しやすいようにする。一方で、厚労省に寄せられた被害情報の、製品名や成分名については、原則非公開とする方針も固めた。厚労省は、6月の時点では、各地方自治体などから寄せられた、健康食品との関連性が疑われる健康被害情報14例について公表を行う方向で検討を進めていたとされる。厚労省ではこのほど、14例について、「緊急の対応の必要性がない」との判断を示した。製品名や成分名の公表を行わない方針も決定したという。



「14年通知」を見直し


厚労省は12日に開催した新開発食品調査部会で、いわゆる「健康食品」の関連が疑われる健康被害情報の取り扱いを見直す案について議論した。

部会では、健康食品の被害情報について、各都道府県に届け出る方法を定めた「14年度通知」について、見直す案が示された。

食品衛生法では、健康被害が発生する可能性がある成分を「指定成分」としてあらかじめ定め、通常よりも厳しい規制を掛けている。新たな成分を今後どのように追加していくかについての基準を明文化していく方針も示した。
 

「健康食品やめたら治った」が基準?


厚労省が部会で示した「いわゆる『健康食品』のリスク管理の全体像イメージ」ではまず、「情報収集の強化」として、「報告アルゴリズムの作成」を掲げている。

食品基準審査課によると、「報告アルゴリズム」とは、消費者や各医療機関から各都道府県の保健所に寄せられた情報の中から、一定の基準に当てはまる被害情報をピックアップし、健康食品とひもづけた形で厚労省に報告する仕組みのことだという。

一定の基準については、今後検討していく予定だとしている。

例えば、「『健康食品を摂取するのをやめたら体調が回復した』といったことを基準とすることを検討している」(食品基準審査課)と話す。


緊急性が高いものは製品・成分名を公表


報告アルゴリズムに当てはまる形で報告された危害情報については、薬事・食品衛生審議会などで審議にかけられ、その後、事例評価結果として公開する方向だという。公開する際に、製品名や成分名は原則非公開とする方針だ。健康被害が受理された日時や、消費者の年代、性別、主な症状は公開されるという。

寄せられた健康被害情報の中で、緊急性があると判断された場合は、厚労省による通知で注意喚起を行う。緊急性が高い場合は、製品名や成分名も公開するとしている。
 

12日の部会では、「いわゆる『健康食品』のリスク管理の全体像イメージ」を了承することで、委員の意見が一致したとしている。今後、同部会では、「報告アルゴリズム」の具体的な内容などについて、審議していくとしている。




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