「to High to Wide戦略」とは?
古屋智久常務取締役COOは、これまで明かさなかった「MakeShop」の事業戦略を説明した。
まず現在の実績として、2021年の「MakeShop」の稼働店舗数は1万1372店になり、最重要指標の流通額は2749億円になっている。創業初年度の2億円から18年連続で成長を続けているという。
2022年上半期の流通額も前年同期比13.6%増となっている。通期の流通額は3000億円に達する見通しだという。
事業戦略策定のベースとなるポジション二ングマップを初公開した。レイヤーごとの市場規模は、矢野経済研究所のデータを参考にしているという。
「ECのSIer領域が890億円、パッケージが470億円、高機能SaaSが260億円、低価格SaaSが150億円の規模がある。当社は高機能SaaS領域で『MakeShop』、パッケージ領域で『GMOクラウドEC』を展開している。当社のサービスから上に伸びている矢印は、SaaS型を軸にしながら戦略的に上位領域へ展開していくという意思を表わしている」(古屋COO)と話す。
▲「MakeShop」の事業戦略を説明する古屋智久常務取締役COO(中央)同社が掲げる「to High to Wide戦略」では、 SIerやパッケージの上位領域に進出を図る(to High)とともに、サービス領域をより広範囲(to Wide)に展開していくという。
「to High」のために、「MakeShop」のリニューアルを推進し、「GMOクラウドEC」の開発強化を図っているという。
「リニューアルにより、『MakeShop』がより大規模なEC事業でも利用できるようになるだけではなく、『GMOクラウドEC』へスムーズに移行できるようにもなる」(古屋COO)と話す。
「to Wide」のために、APIを整備・拡充し、オープンプラットフォーム化を図る。「MakeShop」リニューアルによるアプリマーケットの開設は、オープンプラットフォームの目玉施策というわけだ。