2022.09.15

「MakeShop」、フルリニューアルも店舗に「移行の負担かけない」 AWS採用や管理画面刷新、アプリストア提供も発表

向畑憲良社長がリニューアルプロジェクトを説明

GMOメイクショップは9月15日、ECサイト構築SaaS「MakeShop」のリニューアルプロジェクトを発表した。AWSを採用し、強固なインフラ基盤に刷新。拡張性やセキュリティの堅牢性を向上する。最新のアーキテクチャを取り入れ、機能追加を加速。管理画面のUIを改善し、API機能も強化する。外部パートナーの機能を容易に追加できるアプリストアの提供も行う。年内のリリースを目指しており、具体的なリリース日は10月26日に発表する。

「MakeShop」は2004年にリリースし、多機能性やサポート体制の充実度を高め、利用店舗を増やしてきた。利用店舗の流通総額(GMV)は2012年から10年連続で、国内カートASPにおいて1位を獲得している。今回、リリースから18年の時を経て、システムの本格的なリニューアルを実施する。



「利用店舗さまから『遅い』『管理画面が分かりづらい』などの声が寄せられていた。さまざまなご要望にお応えして機能を追加していったが、システム的にはよく言われるスパゲッティ化、レガシー化して、徐々に新しい機能の提供が遅れていった。インフラも徐々に負荷が大きくなり、一部の店舗さまにご迷惑をおかけすることもあった。今回、『次世代EC開発プロジェクト』を立ち上げ、『MakeShop』のフルリニューアルを行うことになった」(事業推進部 石井貴部長)と話す。


▲事業推進部 石井貴部長

「次世代EC開発プロジェクト」は2年前に始動した。既存の利用店舗にマイナスの影響を与えずに、理想的な仕組みを構築するため、研究開発や人材採用から、リニューアル内容の精査、ロードマップの作成などに時間を費やしたという。


6項目のリニューアル内容


今回のリニューアルは、①スケーラビリティのあるインフラ基盤へ刷新②モダンアーキテクチャへ総入れ替え③APIで自由につながり、広がる拡張性④分かりやすい管理画面へリデザイン⑤美しく柔軟なフロントサイトを実現⑥ユニークでトレンド感に満ちたアプリマーケット――の6項目が主な内容となる。



インフラ基盤をAWSに移行し、高い拡張性や堅牢なセキュリティを確保する。急なアクセス集中においても、安定稼働を維持し、SLA(サービス・レベル・アグリーメント=サービス品質保証)は99.9%を目指す。

今後の10年間を見据え、モダンアーキテクチャを取り入れる。これにより、機能提供のスピードが上がる。公式にAPI機能を提供し、システム連携によるカスタマイズも実現できるようにする。「極端に言えば注文管理画面を作り直すこともできる」(石井部長)と話す。

管理画面のUIを刷新する。ベイジ社がUIディレクションを行い、分かりやすく使いやすい管理画面を提供する。利用店舗のECサイトにおいても、柔軟にフロントサイトをデザインできるようにする。

外部パートナーとの連携を容易にするアプリストアの提供も開始する。すでに連携している100社以上のパートナーとの協業を強化し、パートナーにも利用店舗にもメリットがある仕組みを構築する。


2025年まで段階的にリニューアル


リニューアルは2025年まで段階的に行う。利用店舗は別のシステムに移行する必要はなく、既存のシステムが徐々に刷新されていくイメージだという。



「見た目の機能は変わらないが、中身のアーキテクチャや使用している言語が少しずつ変わっていく。ただ、利用店舗さまがリニューアルを分かりやすく体感していただけるのは、管理画面のUIの刷新などだろう。新しいシステムに完全に移行する方式だと、移行時にエラーが生じたり、店舗運営を止めてしまったりするような事態を招きかねない。それだけは避けて、リニューアルを実現するべく、当社の技術陣がチャレンジしている」(向畑憲良社長)と説明する。

リニューアルしたシステムのβ版を一部店舗に試験的に利用してもらい、さまざまな意見を取り入れているという。システム基盤の部分はすでに少しずつ刷新しており、「かなり表示速度などが改善している店舗さまもある」(向畑社長)と話す。


■『次世代 EC 開発プロジェクト』ティザーサイト
https://www.makeshop.jp/main/lp/next_ec/






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