2022.05.11

カラクリ、顧客に寄り添う“売らない”接客ツール「KARAKURI hello」を提供 EC利用者の困りごとをAIが解決

カスタマーサポートをエンパワーメントするカラクリはこのほど、EC利用者の困りごとをAIが予測して解決に導くカスタマーサポート部門向けのWeb接客ツール「KARAKURI hello」の提供を開始する。EC利用者の「困りごとを解決する」ことを目的にした「寄り添い型接客」により、顧客体験価値の向上に寄与する。

カラクリが5月に提供を開始する「KARAKURI hello」は、従来のWeb接客ツールのように「売る」ことを目的とせず、「返品・交換」「決済」などEC利用者の困りごとをAIが予測し、解決に導く「寄り添い型接客」のWeb接客ツール。

EC利用者の困りごとをAIが予測するので、これまでカスタマーサポート部門が対象としていた「問い合わせをする層」だけではなく、サイレントカスタマー(問い合わせすることなく離脱する層)へのアプローチが可能という特徴を備える。ECサイトやネット証券などのオンラインサービス利用時に、「ログインできない」など疑問・不満を抱いたユーザーを予測し、最適なメッセージを表示し、EC利用者の利便性を高めることでLTV向上に寄与する。

AIチャットボットとセットで利用することにより、顧客セグメンテーションやメッセージの最適表示をすべて自動で行うことも可能。従来のWeb接客ツールでは、効果を出すためには類似したニーズや性質を読み解き、手動で顧客をグループ分けする必要性があった。商材や目的によっては複数パターンのセグメントが必要であり、行動変数や心理的変数などを組み合わせ、最適解を出すのに多大な時間を要した。「KARAKURI hello」では、機械学習を用いて「行動ログ」と「質問傾向」から、EC利用者が特定条件(購入・離脱・特定のコミュニケーションなど)を満たすかどうかを判定するため、Web接客ツールの運用負担を削減できる。



「KARAKURI hello」は、「KARAKURI chatbot」と合わせて月額50万円以上(MAUベースでの課金モデル)で提供する。

「KARAKURI hello」と「KARAKURI chatbot」を先行導入した銀行では、「hello」の自動セグメンテーション機能を利用した場合、利用しなかった場合に比べてチャットボット利用者数が20%増加。顧客満足度が41%から54%へ増加した。手続き変更など「利用者の困りごと」に寄り添うことで、これまでチャットボットを利用しなかった層へのアプローチができたのはもちろん、ロイヤリティ向上につながることが明らかとなってとしている。

長引くコロナ禍で多くの業界でECの需要が拡大し、幅広い年齢層のユーザーが利用するようになった。一方で、リアル店舗のような「おもてなし」をオンライン上で実現することができず、顧客体験価値の向上に苦戦している企業も多い。カラクリが、2021年にEC・金融などのオンラインサービス利用者2080人に対して実施したアンケート調査では、顧客離れの要因のひとつにWeb接客ツールによる「ポップアップ広告・クーポンなどのお知らせが多くサイトが見づらい」が挙げられており、CVR向上を促す従来型の手法に対して嫌悪感を抱くユーザーが21.9%いることが明らかになった。



経営戦略を「新規顧客の獲得重視型」から、顧客1人当たりの収益を高める「LTV(顧客生涯価値)重視型」へと舵を切る企業も増える中で、EC上の購買体験をより良いものにするため、EC利用時の「手続き」「決済方法」などのつまずきポイントを解消する「寄り添い型」のオンライン接客ツール「KARAKURI hello」の開発に至ったとしている。




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