2022.01.20

【記者座談会 2022年EC業界予測<4>越境EC編】中国以外も拡大、課題は物流


配送費高騰がネックに


大多:ホビーECの大網も越境ECで成果を上げている。商材はフィギュア、ゲーム、漫画などだ。日本でも流行している人気漫画「鬼滅の刃」「呪術廻戦」などの関連商品は、海外でも需要がある。

しかし、越境ECにかかる物流コストは近年、かなり上がったと聞いている。コロナ禍の影響で船などによる輸送が停滞したため、自社で船便などを工面せざるを得ない状況になったという。ほとんどが予約商品なので、物流コストが上昇したからといって、販売価格に上乗せできない。コストの増大で苦戦したと聞いた。今後は自社でハンドリングできる配送手段の拡充を進めるようだ。

手塚:配送が一番ネックになっているという話は聞いている。航空便も旅客機の本数が圧倒的に減っているため、商品を運べるキャパシティーも大幅に減っているという。その課題は解消されていない。日本郵便のEMS(国際スピード郵便)などは、徐々に再開していっている。

しかし、貨物専用の便の一部をEMSが使ったりするようになってきているようなので、キャパシティー自体は変わらない。越境ECを手掛ける事業者の中には行政に働き掛けているところもあるという。日本の魅力ある商品・サービスの海外需要を開拓する「クールジャパン」を提唱するのであれば、インフラを整えないといけないと思うが、今のところ動きは鈍いようだ。


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