2021.03.10

「ぶっちゃけShopifyってどう?」Shopifyアプリでヒット飛ばすハックルベリー安藤CEOに聞く

ハックルベリー 安藤祐輔CEO


大企業的な契約形態には不向き?!


――「Shopify」の弱点はあるのか?

サポートは日本企業ほど手厚くはない。外資系企業らしく「ここまではできるけどここまではできない」というスタンスがある。日本のベンダーは営業が強いので、手厚いサポートがある。

「瑕疵担保まで含めてやってほしい」というような日本の大企業的な契約形態がほしければ日本のカート企業を選んだ方がいい。

――どういう企業が「Shopify」に向いている?

中長期的な成長を目指している企業には、インフラ面や機能面の拡張性の高さがある「Shopify」が合っている。

ノーコードで運用できるので、勉強熱心な担当者がさまざまなアプリを入れたり、外したり、進んで取り組んでいくスタイルじゃないと良さを発揮しにくいかもしれない。


日本のShopifyを便利に


――ハックルベリーではどんなサービスを提供している?


「Shopify」を活用したECサイトの構築・運用支援も手掛けているが、メインは「Shopify」店舗向けのアプリ開発を行っている。日本のローカル向けアプリを開発することで、日本のEC企業が「Shopify」を使いやすくなるようにサポートしていきたい。

アプリ開発のきっかけは、「Shopify」が盛り上がっているので自分たちで使ってみたら、日本であるべき普通の機能がなかったから。例えばGoogle広告とFacebook広告はアプリを使って手軽に出稿できるが、YDN(ヤフーの広告ソリューション)を出すためのアプリはなかった。

われわれが開発したが、その当時はアフィリエイト連携ツールもなかった。アフィリエイトのような基本施策を始めるのに、エンジニアがタグを埋め込み、テストしてと全部手動でやらないといけないのかと、課題を感じた。


ハックルベリーでは1年ほど前からShopifyアプリの開発に注力

――「Shopify」ユーザーとしての課題感が背景にあったのか?

もう一つ背景としては、「Flipdesk」をやっていたときから集客をサポートすることをやりたいという思いがあった。ウェブ接客はコンバージョンを上げるツールだが、そもそも集客がなくて困っているEC企業がたくさんあった。

最近、EC支援をやっていて感じるのは、集客がある企業でも、持続性がないケースが多い。インフルエンサーで売り上げが急拡大しても、それが収まるとしぼんでしまう。

集客の課題を解決できれば、多くのEC企業に貢献できるという意識があった。ただ、集客の仕組みは、広告業界の構造とかシステムロジックで作られているのでツールが使いづらい。EC企業目線で言えば、広告はCPA決めて、上限額決めて、あとはブランドセーフティ(掲載NGのサイト設定など)を決めれば、あとはある程度集客してほしいというのが本音。「集客の民主化」というと格好良すぎるかもしれないが、広告を身近にするようなツールを提供したいと思っていた。

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