2020.11.16

ECプラットフォーム「futureshop」、7〜9月のEC利用状況を発表 利用店舗の流通額は昨対比141%と大幅拡大


PC経由の購入単価が2割高い


前期の調査と変わらず、PC経由がスマートフォン経由よりも2割程度高いという結果に。期間中の購入単価は高かった9月だが、前年同月比としてはわずかに低い数字を示したことから、前年の消費税増税前の駆け込み需要はまとめ買いが発生していたことが伺えるとしている。


新規顧客が昨対比205%


緊急事態宣言後の期間中、新たに会員登録した顧客の利用を新規利用とみなし、各店舗の平均増加率を月ごとに調査した。その結果、7月~9月の期間中平均は昨年比205.35%となり、新規利用が急増している結果となった。月ごとにおいても、7月が202.88%、8月が202.03%、9月が211.13%とすべての月で昨年比200%を超えている。実店舗も再開しつつある中でも新規顧客数が2倍になったことから、生活者のEC利用が継続、そして定着化してきたと判断する一因になるとの考えを示した。

前期の調査では、コロナ禍でのEC利用が急拡大したが、今回の調査でも継続して新規利用が増加していることから、EC利用が習慣化されつつある一面が伺える。外出機会が減少、在宅時間が増加している状況下において、自社ECは単なる販路としての役割だけではなくなっており、SNSやオウンドメディアなどと自社ECを組み合わせ、顧客接点としてつながりを創り、ファン化を促進するなど、交流の場としての役割が強くなると推測している。


キャッシュレス決済の利用が拡大


決済手段の変化は、利用された決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay)」「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つに分け、各月の総注文件数を1として集計。いずれの月も昨年に比べて「現金・その他決済」の利用が減り、「クレジットカード」「ID・QR決済」のキャッシュレスに移行していることがわかる結果となった。今回の調査では、「現金・その他」比率は2割程度まで落ち込んでおり、キャッシュレス・消費者還元事業はすでに終わったものの、ECでは依然としてキャッシュレス化が進行しているとした。



各決済方法の成長率では、前期の調査において「現金・その他」がマイナスになるなど、コロナ禍で対面接触をできるだけ避けようという意識の現れを示す数字が出てたが、今回の調査ではプラスに転じた。銀行やコンビニへの外出など、外出の機会は前期と比べ増加しているように読み取れるとしている。

これらの結果から、フューチャーショップは生活者の購買行動について、流通額が伸びた業界から商品購入傾向の変化が窺えるとし、継続して生活必需品が購入される一方、外出する機会の増加を示唆。「小物・ブランド雑貨」の流通額の増加は久しぶりに友人などと会っている姿が、また「現金・その他」支払いの件数がプラスになったことからも、外出機会が増えたことが読み取れると考察している。

EC利用の定着化については、実店舗再開が進む中でも新規顧客利用が200%を継続して超えたことから、コロナ禍によって拡大したEC利用の習慣は定着化しつつあると考えられる。今後はECが販売の場だけではなく、継続的なコミュニケーションの場として役割が出てくると考えられるとしている。

フューチャーショップのサイトでは、今回の調査を簡易的にまとめてインフォグラフィックを公開している。


【インフォグラフィック】ウィズコロナ時代、ECはどう利用される?数字でよみ解くEコマース
https://www.future-shop.jp/magazine/infographic-2020ec-2

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