2020.09.09

【伝統工芸×テック】ZOZOテクノロジーズが東京大学や細尾と機能性テキスタイルを研究 商品開発への活用目指す

ZOZOテクノロジーズは9月9日、東京大学大学院情報学環と、西陣織の老舗である細尾と共同で、伝統工芸と先端テクノロジーを組み合わせたテキスタイルの開発に関する共同研究を開始した。開発したテキスタイルは、2021年の春に展示会形式での発表を予定しており、新しいテキスタイルの価値創造に取り組む考えを示した。

本共同研究では、ZOZOテクノロジーズが有するファッションや先端マテリアル、テクノロジーとファッションに関する知見と、東京大学大学院情報学環の筧康明准教授の研究グループが持つ素材やテクノロジーを活用したインタラクション技術と体験デザインのノウハウ、西陣織の老舗でありながら常に革新的なテキスタイルを開拓している細尾の3者の強みを生かした研究を実施。

西陣織は、長い歴史の中で獲得された洗練された意匠と高度な織技法を有しており、多様な素材や構造を掛け合わせていくことが可能だという。共同研究では、材料やインタラクションなど様々な専門性を有する研究者、デザイナー、職人などを含めたチームで共創することで、西陣織をベースにしながら、環境変化やコンピュータによる制御に応じて動的に意匠や特性を変化させることができる新規の機能性テキスタイルを開発するという。またこの活動を通して、ファッション、空間デザイン、ディスプレイなど、既存の繊維材料のみでは困難な表現・応用領域を開拓するとしている。

テキスタイルは、ファッションから住環境に到るまで私たちの生活に欠かせないものであり、さらなる利活用に向けた研究開発が続けられているという。近年は特に、保温効果や抗菌機能などの材料面での進化に加え、回路等による電子的な機能を内包した、スマートテキスタイルと呼ばれる機能性テキスタイルが登場。新しいユーザーインタフェース、ヘルスケアツール、ファッションアイテム等への活用を含む多様な応用が見込まれているとし、今回の共同研究に至ったとしている。

本共同研究を通じて、伝統の美に加え、表現が拡張された意匠を織りなす新たなテキスタイルを開発し、新しいテキスタイルの価値創造に取り組むとしており、開発したテキスタイルは、2021年の春に展示会形式での発表を予定しているという。将来的には、ZOZOグループのブランドパートナーとの商品開発やスマートテキスタイルを用いた新しい顧客体験の創出、様々な業界との協業を見据えたB2B向けビジネスへの展開を目指していくとしている。

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