2020.09.01

楽天 野原執行役員が「プラットフォーマー規制」「店舗の声」への対応を説明 「戦略共有会」はコロナ禍の施策解説


野原執行役員の一問一答


野原執行役員は、メディアとの質疑応答にも対応した。以下、質疑応答の要約。

――プラットフォーマーに透明化を求める新法を見据え、ヤフーは出店基準を開示するなどの取り組みを発表した。楽天の取り組みは?

出店基準や検索ロジックの一部は説明している。検索ロジックについては、内容を明らかにすると悪用する事業者が出る可能性がある。国がどこまで求めるかは分からない。

われわれは法律に左右されることなく、出店者や消費者の双方にメリットがあるやり方を追求している。もちろん国からリクエストがあればしっかり対応する。

――共通の送料無料ラインについて出店者から「単価が下がった」「利益が落ちた」などの声は上がっていないのか?

苦情やクレームは届いていない。場合によってはそういったこともあるのかもしれないが、店舗さんによっては「単価が上がった」という声も上がっている。施策が始まる前の懸念ほど、店舗の皆さんが大変だという状況にはなっていない。


違反点数制度は結果が出ている


ーー「楽天ユニオン」がアフィリエイトや違反点数制度、楽天Payに対して不利益を受けたと言っているが、楽天としては店舗のベネフィット(利益)を見込んだ取り組みだったのか?

ベネフィットが提供できなければやらない。「不利益を被った」とおっしゃっているが、われわれは良かれと思ってやっている。ただ、意見があることも事実として受け止めつつ、やはり結果を出すしかないかなと思っている。

違反点数制度は結果が出ている。NPS(ネットプロモータースコア)は確実に上がっているし、ユーザーからのクレームは減っている。一部の店舗さんは「違反点数制度なんて怖くて自由に店舗運営できない」と考えているかもしれないが、悪い店舗が跋扈(ばっこ)してしまっては、売り場全体が不利益被る形になる。そうしたことも俯瞰した上で導入した施策だ。



ーーアフィリエイトについてはログが出てないのが困るという話もあるが、どうか?

改善点はある。現状で終わりではない。ただ、われわれのアフィリエイトはこれまで安かった。アフィリエイターさんからすると同じ商品をどこのサイトのを紹介しょうかと考えたときに、手数料の高い方に注力されてしまう。今回の改定で流入は上がってきている。


新規出店者数は昨年対比で30%増


――「Shopify」との提携の足元の実績は?

「Shopify」との提携は、グローバルエクスパンションの観点からもうれしい提携だった。出店に関する相談も頂戴している。具体的な数字はまだ言える段階ではないが、良い感じに伸びている。

――出店者数が増えていると思うが、最近の傾向は?

「共通の送料無料ライン」の施策で新規出店が減るという声もあったが、実際は新規出店者数が昨年対比で30%くらい伸びている。

カテゴリーや地域での傾向はないが、これまでわれわれが主戦場としていた中堅中小企業や個人事業主はさることながら、ナショナルブランドや銀座の一等地に店舗を出しているような企業が出店している。企業のマーケティングに関するスタンスが変わってきているのを感じる。

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