2024.01.12

【ECモールに聞く!2024年の戦略】『楽天市場』松村亮氏「売り場、物流が進化、AI活用も強化」

楽天グループ 常務執行役員コマース&マーケティングカンパニーヴァイスプレジデント 松村亮氏


――SKUプロジェクトの進捗や成果は?

SKUプロジェクトは、ユーザーの「商品の見つけやすさ」を改善することを目的とし、23年春より順次、店舗さんに新しい商品登録のシステムに切り替えをいただいている。2023年12月時点で95%以上の店舗さんの切り替えが完了した。

SKU化により店舗さんの個性豊かな商品の販売方法が大幅に進化したことで、1商品に登録できる商品情報量が精緻化・拡充された。ユーザーに提示できる商品の仕様情報が増えたことで、ユーザーがより欲しい商品を見つけやすくなり、クリック率の向上などの成果が見え始めている。

――2024年にさらに強化する機能やサービスは?


2030年の国内EC流通総額10兆円を目指し、売り場・物流の進化に加え、今年はAIを活用した店舗運営の効率化とコンサルティングの質の向上を目指す。これらを通じて店舗さんのサポートを強化することで、ユーザーと店舗さん双方の利便性をさらに高めていく。

――2024年6月に導入する「配送品質向上制度」の見通しは?

「楽天市場」では、ユーザーにとって使いやすく利便性の高い売り場作りをすることで、選ばれ続けるプラットフォームの実現を目指し、「配送品質向上制度」の導入を予定している。本制度では多様化するユーザーニーズを見据え、一人ひとりに合わせたより良い受け取りの選択肢を提供できる商品に対して配送認定ラベルを付与する。また、ラベル付き商品が見つけやすいUI/UXの導入も予定している。

ユーザーにより多くの価値を提供することで、「楽天市場」の集客力をさらに向上し、店舗さんへより多くの利益を還元できると考えている。

本制度については、2023年1月に実施した「楽天新春カンファレンス」で発表後、店舗さん向けに定期配信を行っている「サポートニュース」や郵送でのご説明に加え、全国47都道府県における店舗さんとの意見交換会やタウンミーティング、オンライン勉強会などを通じて、制度の説明やご意見の収集を行い、認定の基準、支援策などの詳細について、最適な内容を検討してきた。

制度の目的についてはご理解いただき、多くの店舗さんより、認定ラベルの獲得を目指していきたいというお声をいただいている。また、認定ラベル獲得に必要な商品基準案において、365日の出荷に関する店舗さんからのご意見を元に条件を再度検討し、ご意見を汲んだ変更も行った。引き続き、より多くの店舗さんにおいて認定商品を増やせるよう、さまざまな支援策を講じていく予定だ。

今後も、2024年6月の制度導入に向けて丁寧な説明を行い、店舗さんとともに準備を進めていく。









RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事