2023.12.21

歯科医院向け通販「歯愛メディカル」、下着EC「白鳩」の筆頭株主に BtoC-ECのノウハウが狙いか

歯科医院向け通販などを展開する歯愛メディカルは12月20日、小田急電鉄から下着EC事業を運営する白鳩の株式を取得し、筆頭株主になると発表した。白鳩の普通株式221万株を取得し、議決権所有割合は33.21%になる。取得予定日は12月25日だ。

歯愛メディカルは歯科医院向け通販事業を中心に歯科技工所や動物病院、介護施設などに向けたBtoB通販事業を展開している。子会社のデンタルフィットを通してBtoC通販事業も運営している。

歯愛メディカルの2023年1‐9月期(第3四半期)における売上高は、前年同期比6.9%増の336億4800万円となっており、堅調に成長している。今年10月には「新本社ロジスティクスセンター」を竣工し、年内に既存センターからの移転を完了させるという。新センターの開設により、商品の保管能力や出荷能力を既存センターの3倍以上へ高めていく計画だ。

歯愛メディカルは白鳩の株式を取得し、関連会社化することで、BtoC向け通販やECのノウハウを取得する狙いがありそうだ。今回の株式取得を、今後の既存通販事業のサービス強化、新たな事業展開に役立てたい考えのようだ。

小田急電鉄は2016年11月、白鳩と資本業務提携契約を締結した。2018年3月には、さらなる関係強化のため資本提携の変更を行い、白鳩を連結子会社化していた。一方で2023年3月には、資本提携の目的に照らし一定の成果を収めたものと判断し、資本提携を解消していた。

資本提携の解消に伴い、白鳩は小田急電鉄への極度貸付契約による借入金20億円を借り換えにより、返済している。資本提携解消後の小田急電鉄の株式の取り扱いについては、「未定」としていたが、今回、小田急電鉄の保有株式の一部を歯愛メディカルが取得する形となった。

小田急電鉄は8月31日時点で白鳩の株式の40.17%を保有しているが、株式譲渡後には6.96%を保有する第4位の株主となる見通し。

白鳩の2023年3-8月期(第2四半期)の売上高は、前年同期比4.8%減の30億5700万円だった。競争環境が激化する中、自社ECサイトの売り上げは同4.2%増と伸長したが、売り上げの多くを占めるECモールにおいて、「楽天市場」が同9.7%減、「ヤフーショッピング」が同21.3%減と減収になった。「Amazon」の売上高は同2.0%増だった。

歯愛メディカルが筆頭株主となることで、どのような影響が生じるかは不明だが、今後の動向を注視していきたい。






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