2023.12.11

【コロナ後も伸びるECの秘訣】アルページュ 専務執行役員 野口英男氏「今期も二桁増収、ライブ配信は週30本」

アルページュ 専務執行役員 野口英男氏


2年かけ丸井に新業態


――「ARPEGE SALONE」は、店内にスタジオがあり、営業時間中に毎日、ライブ配信をやっているのか?

「ARPEGE SALONE」は新宿マルイ本館2階にある。丸井さんと2年くらいの時間をかけて、「今までにないもの」ができないかと検討し、作った店舗だ。店頭で物販をしないショール―ミング店舗にしようかという案もあったが、それだけでは満足しないお客さまもいるので、物販もできるようにした。店内にスタジオを作り、そこから情報発信行い、その様子を来店したお客さまも見られるようにした。

日々のスタッフによるライブ配信だけではなく、モデルさんをゲストに呼んでトークショーを実施したり、中国のKOLが来てライブ配信したりしたこともある。KOLは3時間くらいライブ配信をして、中国のアプリ「RED」での購入につなげた。丸井さんの売り上げにはならないが、それも了承を得て実施している。インバウンドの来店客獲得にもつながるのではないかと期待している。

2週間に1回はカラー診断のイベントを実施するなど、リアルの顧客体験価値を高めるショップとして運営している。

――OMOの仕組み作りや実店舗スタッフによる積極的なライブ配信、アフターコロナを見据えた新業態など、一歩先を行く取り組みを実施できているのはなぜか?

会社を挙げてOMOに取り組んでいくとなると、店舗スタッフの協力が必要不可欠だ。会社としてブランドがどこで売り上げを取っていくか、目標をしっかり設定して、徹底していかないといけない。

他のブランドでは、チャネルごとの担当で在庫の取り合いになるという話を聞いたりする。そういう考え方ではなく、当社では、在庫を一元化した上で、ECや実店舗から情報発信に注力し、お客さまが買いやすい場所で買っていただけるように選択していただくというスタイルが浸透している。


変化を実現するAMS


――自社ECサイトやOMOの仕組みについては、AMSが支援している。AMSはどのような存在か?

時代によってお客さまの買い方は変わっていく。買い方が変わるということは、提供するサービスも変わっていかないといけない。サービスが変わるということは、システムも変わっていかないといけない。AMSさんは、それを具現化してくれるパートナーだ。長年、当社のやりたいことを理解していただき、実現したいサービスを一緒に作っていただいている。

――実店舗の展開もさらに強化していくのか?

「Arpege story」の実店舗は、コロナ禍に4店舗増え、現在は11店舗を展開している。今秋には当社として初めて埼玉・大宮にも出店できた。商品を実際、見てから買いたいというお客さまも多いので、リアルのタッチポイントは増やしていきたい。タッチポイントが増えるとECを利用していただく方も増える。

「CADUNE」では来年、東京・青山に路面店を出す準備を進めている。路面店ならではの品ぞろえを用意し、お客さまが集まれるイベントも実施したいと考えている。

「ARPEGE SALONE」のようなスタジオ併設店も増やしたい。札幌などまだ出店できていない地域への展開もしたいと考えている。

――TSIホールディングスのOMO施策にも携わっているのか?

私と社長の野口は、TSIホールディングスのファッションキャピタル Div.を見させていただいている。各ブランドはOMOが課題にあるので、当社でうまくいった取り組みを共有している。

ファッションキャピタル Div.のブランドを集めたレディースファッションのECモールを構築し、お客さまに分かりやすく利用していただけるようにする構想もある。






RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事