2023.12.08

SHIPS、不正検知サービス「ASUKA」を導入 短期間での導入とコスト面が決め手

シップス 高橋邦之氏

衣料品の企画販売を手掛けるシップスは1975年に創業したセレクトショップの代表的な企業だ。全国約80店の直営店に加え、「ゾゾタウン」「楽天市場」などのECモールのほか、自社サイト「SHIPS 公式オンラインショップ」を運営している。

40歳前後がメインの購買層。店舗で実施している施策は基本的に自社ECサイトとの連動を目指している。お客さまとのコミュニケーションはアプリが中心で、クーポンやお客さまに合わせた情報配信など店舗への集客につなげている。

店舗での接客をECサイトでも実現できるように、マーケティングオートメーション(MA)ツールを活用し、顧客の個別のニーズに応える対応を目指す「ワン・トゥ・ワン」を強化している。最近では、ECサイトで「お気に入り」に登録している商品が値下げした場合にメールで通知するなど、複数の想定シナリオを用意して、顧客に情報を届ける仕組みを充実している。チャットによる問い合わせ機能も強めている。

2023年から新たに投入したオンラインで販売する初のDtoCブランド「quaranciel(カランシエル)」では、コーディネートなど顧客からの相談をリアルタイムで対応する。

「オンラインストアでしか購入できないという限定的な体験を生かして訴求したい」(販売促進部 デジタルマーケティング課・高橋邦之主任)と新ブランドの狙いを話す。店舗で実際に商品を試着することができないため、数人のスタッフが対応し、チャット機能を活用することで顧客満足を高めている。

店舗のスタッフが着用しているスタイリングを参考する人が多くなってきたこともあり、今後はECサイトで動画を強化することで訴求をより強化する考えだ。


不正購入が導入半年で「ゼロ」


不正購入は、高額で換金しやすい「TUMI(トゥミ)」や「ナイキ」などナショナルブランドの別注品が狙われた。不正購入されたという認識はあったが、社内に不正注文についての知見がなく対応に苦慮していたという。当時は、クレジットカード決済代行会社が提供する「チャージバック保険」に加入していたこともあり、社内でも緊迫した状況ではなかったそうだ。「チャージバックを止めるノウハウが社内になかった」(高橋主任)と話すように、コロナ禍をきっかけにECサイト売り上げ増加に比例し、チャージバックの金額も増えていたという。

ECサイト構築プラットフォームに搭載している不正検知機能を活用し、一次フィルタリングと目視で不正かどうかを判断していた。当初は特徴的な名前での不正注文など、判別しやすいものが多く目視で確認することができたが、その後はより巧妙な不正注文が出てきたことで作業負担も増してきた。

アクルが提供する、クレジットカードの不正利用検知・認証システム「ASUKA(アスカ)」を導入したのは、クレジットカード決済代行会社から対策を提案されたことがきっかけだ。「検討から短期間で導入できることとコスト面の2点が導入の決め手だった」(高橋主任)と話す。API連携ではなく、JavaScriptタグを埋め込むだけで実装が可能なため、約1カ月間で導入できたほか、従量課金制の同業他社が多い中で、定額課金だったことも導入を後押しした。

アクルのコンサルタントと定期的に不正傾向についてチューニングすることで、導入前のチャージバックは年間100万円を越えるほどだったが、導入後は半年後に一時ゼロにまでなったという。「ASUKA」の導入は、ブランド棄損防止にもつながっているようだ。高橋主任は「コロナ禍をきっかけに不正検知ツールの導入の重要性が増している」としており、より信頼性の高いECサイトの運営を目指す考えだ。



<不正検知サービス「ASUKA」サービス概要>

物販ECをはじめ、旅行、サービスなど2万社以上のECカード加盟店に導入されているクレジットカードの不正検知・認証ツール。日本で開発され、日本の住所にも対応可能な不正対策ソリューションだ。EMV3Dセキュアを併用した不正利用対策をはじめ、クレジットマスターアタックと呼ばれる大量アタックの対策として活用が期待できる。申し込みから導入まで最短1~2週間での週間での利用を実現。決済数に応じた従量課金性ではなく、毎月プランに応じた固定額が発生する固定価格制を採用している。

https://akuru-inc.com/service/asuka/






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