BEENOSはこのほど、新たに物流アウトソーシングサービスに参入し、国内外まで一気通貫で届ける従量課金型グローバル物流サービスの提供を開始する。本サービスはBEENOSの完全子会社で、越境EC購入支援サービスを運営するtensoが運営し、配送パートナー企業と連携して提供する。EC物流、BtoB取引、インバウンド免税配送まで幅広いニーズに対応し、日本の事業者を支援する。
BEENOSグループは、2008年より海外転送サービス「転送コム」を皮切りに、日本の越境EC黎明期より国内ECの越境販売を支援。日本のEC全てのグローバル化を目指し、言語・決済・物流という海外進出の障壁を一気通貫で解消している。海外向け購入サポートサービス「Buyee」や、日本の企業が運営する国内向ECサイトに専用タグを設置するだけで越境EC化を叶える「Buyee Connect」、各国の代表的なマーケットプレイスへの出店/出品サポートなどを通じた国内企業の越境EC支援実績は累計5000件を突破している。
このほど、新たに物流アウトソーシングサービスに参入し、EC運営企業の倉庫・出荷（輸出）作業をすべてアウトソースできる従量課金型グローバル物流サービス「国際配送代行サービス」の提供を開始する。
本サービスはBEENOSの完全子会社で、越境EC購入支援サービス「Buyee」を運営するtensoが運営し、配送パートナー企業と連携して提供する。パートナーである配送会社と、EC運営企業や海外に商品を送りたい事業者をマッチングし、海外向けのオペレーションをBEENOSグループが担う。
BEENOSグループが長年運用している倉庫機能と、圧倒的に競争力のある運賃を提供する本サービスは、固定費ゼロ・従量課金制で利用が可能なため、小ロットでも安心して利用できる。海外の一般消費者向けのEC輸送だけでなく、BtoB取引の輸送にも対応するほか、インバウンド客の購入した商品の配送や免税カウンター向けの配送など、国際輸送に関するあらゆる課題に対応するという特徴を備え、運用形態のヒアリングを基に最適な物流を提案できる。
▲運用イメージBEENOSグループは、グローバルコマース事業の強みの1つに、安定した物流網と配送価格における競争力を挙げた。同社はこれまで世界116の国と地域の顧客に国境という障壁を感じさせないシームレスなショッピング体験を提供するため、物流の強化を続けてきた。国際情勢に左右されにくいよう豊富なパートナー企業と提携を行ったほか、各地域の文化に配した独自の物流サービスの開発・提供、国内最大級の流通総額規模から実現した求めやすい配送費により、競争力ある物流網を構築している。
現在、コロナ禍を契機としたDXの促進と円安状況を追い風として、越境ECを導入する国内企業は拡大を続けている。ジェトロが実施した2022年度「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」 では、越境ECの利用企業は全体の35.5％を占め、特に中小企業において利用実績・今後の利用意向はともに大企業よりも高くなっている。
一方で、燃料費の高騰やインフレに伴う人件費の上昇に加え、海外の越境EC事業者の台頭による国際物流需要の大幅な拡大もあり、日本から海外への国際配送枠の確保競争は激化している。さらに海外配送には、国ごとの配送事情への対応、関税、高額な海外配送料などさまざまな問題が存在していることから、国内企業が単独で海外配送までを整備するハードルは高い。事業規模に関わらず、意欲的な日本企業が海外市場を捉えるためにも、物流枠の確保や国際配送に伴う煩雑なオペレーション課題の解決は急務となっている。
BEENOSは、越境EC事業で培った海外配送オペレーションと強みである物流ネットワークを活かして事業を展開することで、これらの課題を解決できると考え、物流アウトソーシングサービスへの参入、従量課金型グローバル新物流サービス提供開始に至ったとしている。
越境ECの概念が希薄な黎明期から多くの企業の賛同を得たことで、グローバルコマース事業は成長を続けてきたとし、今度は拡大・成熟した物流網を国内企業に解放することで、再び新しい需要を創出する循環を作り、海外からの需要取り込みによる市場拡大と経済貢献の一助となることを目指すとしている。
新サービスを通して煩雑な物流業務の課題から日本の事業者を解放し、一般には利用障壁の高い国際配送を小ロットから誰でも簡単に利用可能にすることで、日本のブランドや事業者のECを通じた海外販売や輸出、インバウンド消費のさらなる取り込みなど、海外進出の後押しができるよう事業を展開していく考えを示した。
