2023.12.09

BEENOS、『越境EC世界ヒットランキング』発表 2023年のキーワードは「世界総オタク化消費」

BEENOSは12月5日、越境EC支援実績5000件以上のBEENOSグループの購買データより、2023年の消費傾向を振り返り、海外でヒットした商品カテゴリや消費傾向を紹介する「BEENOS 越境EC ヒットランキング 2023」を発表した。「消費キーワード」として「世界総オタク化消費」挙げた2023年のランキングでは、「おもちゃ・ホビー・グッズ」「音楽」「ファッション」「フィギュア」などの人気が伸長した。

コロナ禍や円安を追い風に伸長した越境EC市場は、現在もなお拡大を続けている。さらにインバウンドの回復とともに、旅マエ・ナカ・アトそれぞれのタイミングでの越境ECの利用も見込まれ、訪日客の増加とともにこれまで以上の規模での拡大が期待されている。

BEENOSグループの海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」の2023年第4四半期の流通総額は、前年同期比42.4%増で過去最高を継続更新した。「Buyee」利用ユーザーも広がり、対応言語を18言語に大幅拡大するなど世界中の顧客に利用されている。

越境ECの利便性は世界で浸透しており、その需要は世界的に拡大している。こうした状況を受けBEENOSは、2023年に越境ECでヒットした日本発商品やエリアごとの消費などの購買傾向を発表することで、日本企業が越境EC市場に参入を考える際の一助となることを目的に、BEENOS 越境EC ヒットランキング 2023」を発表した。越境EC支援実績5000件以上のBEENOSグループの購買データより、2023年の消費傾向を振り返り、海外でヒットした商品カテゴリや消費傾向を紹介する。

カテゴリ別ランキングは、1位に「おもちゃ・ホビー・グッズ」、2位に「音楽」、3位に「ファッション」がランクインした。伸長カテゴリランキングは、1位が「タレントグッズ」、2位が「おもちゃ・ホビー・グッズ」、3位が「ファッション」となった。



いずれも上位には、「おもちゃ・ホビー・グッズ」「音楽」「ファッション」「フィギュア」など越境ECの人気カテゴリが並んだ。一見すると例年と大きな変化がないように見えるが、「購入者」に目を移すと、全世界的に若年層や女性ユーザーの数が増加傾向にあるとした。2022年以来の円安傾向が続いていることから、日本の商品を購入しやすい環境だったことが後押しとなり、これまで30代以上の男性に特に強く表れていた趣味的消費傾向が全世界的に幅広い層に拡大。「世界総オタク化」により、アニメ、ホビー、ガジェットなど、全世界のさまざまな「オタク趣味」に応える日本の越境EC市場が拡大している。また、Z世代においては、SNS等を通じて日本の優良なカルチャー、コンテンツ、商品を時代を問わず参照し、ボーダレスに購入する「タイムマシン購買」傾向が表れているとした。

エリア別のランキングでは、日本から越境ECで趣味の商品を購入する消費行動が幅広い層に拡大した。従来は30代以上の男性だった各エリアのメインユーザー層は、全エリアで20代の男性が含まれたほか、ヨーロッパ、北米、中東では「20~24歳女性」も含まれるなど女性も増加した。



人気カテゴリトップ3は、ヨーロッパが「音楽」「おもちゃ・ホビー・グッズ」「トレーディングカード」、東アジアが「おもちゃ・ホビー・グッズ」「ファッション」「フィギュア」、北米が「おもちゃ・ホビー・グッズ」「音楽」「ファッション」、中東が「アクセサリー・時計」「おもちゃ・ホビー・グッズ」「自動車・オートバイ」、東南アジアが「自動車・オートバイ」「おもちゃ・ホビー・グッズ」「スポーツ・レジャー・アウトドア」、中南米が「ゲーム」「音楽」「フィギュア」だった。

エリア別伸長率ランキングの伸長ユーザーは、全エリアで10代ユーザーが伸長した。伸長カテゴリは、ヨーロッパが「カメラ・光学機器」「自動車・オートバイ」「アクセサリー・時計」、東アジアが「チケット・金券」「カメラ・光学機器」「本・雑誌」、北米が「食品・飲料」「オーディオ機器」「アンティーク・コレクション」、中東が「スポーツ・レジャー・アウトドア」「自転車・オートバイ」「アクセサリ・時計」、東南アジアが「アンティーク・コレクション」「オーディオ機器」「ゲーム」、中南米が「ゲーム」「コミック・アニメグッズ」「自転車・オートバイ」と、エンタメ系からファッション、ガジェットなど、さまざまな商品ジャンルでの伸長が見られた。




総合ランキング、伸長ランキングにランクインしたカテゴリ内で、特徴的な動きを見せた注目ジャンルには、「タレントグッズ」「カメラ・光学機器」「音楽」「ファッション」「コミック・アニメグッズ」を挙げた。

伸長率1位の「タレントグッズ」では、K-POPアーティストの関連グッズが伸長した。前年同期比で2.1倍の伸長を見せ、世界的なK-POPブームとともに、日本の越境EC市場がアジアコンテンツの窓口としても認識されていることが分かるとしている。



伸長率8位の「カメラ・光学機器」では、コンパクトデジタルカメラに特徴的な動きが見られ、2000年代に流行した機種の中古アイテムが人気を集めた。クリア過ぎない画質がレトロであると20代の間で人気を集め、昨対で3.8倍に伸長している。一眼レフカメラの購買層が60代中心で31%を占めるのに対し、コンパクトデジタルカメラは購買ユーザーの56%が20代となっており、Z世代人気が表れた。



ランキング2位、伸長率8位の「音楽」では、2023年5月に「Spotify」が公開したオリジナルプレイリスト「ガチャポップ」にリストされたアーティストの関連商品が前年同期比で2倍に伸長した。「ガチャポップ」は、日本の多様な音楽ジャンルをボーダレスに選曲しており、90年代~2020年代までにデビューしたアーティスト70組以上がリストされている。アーティスト1組ずつのボリュームはまだそこまで大きくないが、関連アーティストの商品はプレイリスト公開以降から伸長を見せ、今後の大きなムーブメントへの期待が寄せられるとしている。



ランキング3位、伸長率3位の「ファッション」では販売名に「90’s」「00’s」や「90年代」などを含む商品が1.5倍に伸長した。人気ブランド、伸長ブランドランキングでは、90年代~2000年代に流行したブランドがランクインしており、「ヒステリックグラマー」や「ア ベイシング エイプ」等のドメスティックブランドの他、「ラルフローレン」や「バーバリー」が伸長している。



越境ECで人気の高いジャンルであり、ランキング8位の「コミック・アニメグッズ」では、配信サービスの浸透により、日本での放送とタイムラグなく、世界中でアニメ作品がヒットするようになった。一方で越境ECの特徴としては、人気商品やジャンルのロングテール化が挙げられるとし、2022年に第1期の放送が始まったアニメ作品に絞った人気ランキングを紹介。1位は「チェンソーマン」、2位は「ちいかわ」、3位は「SPY×FAMILY」、4位は「ぼっち・ざ・ろっく!」、5位は「その着せ替え人形は恋をする」で、特に「ちいかわ」が東アジアで爆発的な人気を見せているとし、これらの作品が10年、20年と愛されるロングテールコンテンツに成長するかもしれないとした。



「コミック・アニメグッズ」の人気ジャンルには、バッジ、カード、キーホルダーなど、1度に数種類が発売され、持ち運びやすいアイテムが並んだ。1位の「その他」にはアクリル系商品やプライズ品などが含まれている。こうしたグッズを持ち運ぶための推し活グッズも購入件数が2.4倍に伸長しており、コンテンツのヒットにより、公式のグッズだけではなく、関連する商品にも需要が波及していることが分かるとしている。



これらの結果を受けBEENOSは、コロナ禍をきっかけとして始まった越境ECのブームは、越境EC利用の定着やインバウンドの復活によって新たな段階に突入。訪日客数がコロナ以前に戻りつつある中では、海外ユーザーが日本の商品やコンテンツに直接触れ、購入する機会が増えているとし、越境ECの導入が一般化しつつある中、訪日客との接点として越境ECを利用する流れは拡大しており、今後はより戦略的な取り組みが求められるとの見解を示した。BEENOSグループは、越境ECに取り組む企業を包括的にサポートするために今後もサービスの刷新・開発を推進していく考えを示した。





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