2023.11.27

【スポーツ用品のグローバル企業「デカトロン」に聞く】「マーケットプレイス化のメリット」とは?

英国デカトロン マーケットプレイス責任者 ラリー・ボーウェン氏


世界最大級のスポーツ用品店チェーンを展開するデカトロンは、ECサイトの品ぞろえをさらに強固にするために、フランスや英国などでオンラインマーケットプレイスのモデルを導入している。英国デカトロンでは、マーケットプレイスの成果が如実に出ている。マーケットプレイス導入により、英国での販売事業者数は200店舗以上となり、品ぞろえも15万品目となっている。日本では昨年、直営店舗を全店閉鎖し、EC事業をメインに展開している。今後、日本でもマーケットプレイスを展開するかもしれない。「マーケットプレイス化のメリット」「導入のハードル」などについて、英国デカトロンでマーケットプレイス責任者を務めるラリー・ボーウェン氏に聞いた。




――まずデカトロンの事業概要やラリー氏の役職について教えてください。

デカトロンは世界で最も大きなスポーツ用品のリテーラーです。フランスの会社で、47年以上の歴史があります。

店舗では、子どもに買うような初級者用の買いやすい用品から、プロ向けのレベルの高い仕様のものまで幅広くそろえています。

もともとはオフラインの店舗のみでしたが、環境の変化に応じて、より購買者にアクセスができるよう進化を重ね、ECやオンラインマーケットプレイスも展開しています。

私は英国のマーケットプレイスを統括しています。世界24カ国以上でそれぞれのマーケットプレイスを運営しており、それらの本部はベルギーにあります。デカトロンは、特にヨーロッパと東南アジアで非常に強いプレゼンスがあります。

――ラリー氏がいる英国でのデカトロンのポジショニングは?

英国においてデカトロンは24年の歴史があります。数社の先行企業はいますが、非常によく知られている店舗ブランドとなっております。

いくつかの国と比べると英国の事業規模は小さいものの、総じて市場規模は大きく多くのポテンシャルがあります。また、おかげさまでマーケットプレイスのサービスの認知が高まってきています。

英国のお客さまからここ数年、「選択肢が増えた」「さまざまなブランドにアクセスできるようになった」という声をいただいています。より新しいお客さまを増やしたいと考えています。

――オフラインとオンラインのシナジーは?

オフラインとオンラインですばらしいシナジーを実現しています。12年前からオンラインの取り組みを本格化し、新しいお客さまに直接アクセスできるようになりました。

オフラインで店舗網を展開していますが、英国の全てのお客さまが実店舗に来ていただけるわけではありません。オフラインとオンラインのチャネルを持つことで、お客さまに多様な選択肢を提供できています。

実店舗で商品を触って確かめることもできるし、スポーツの専門家に相談することもできます。

店舗スタッフがお客さまに代わってオンラインで発注することができ、発注した商品をお店に来て引き取ることもできますし、お客さまの家に届けることもできます。

実店舗に来る前に、オンラインでどんな選択肢があるのか、どんなオプションがあるのか、あらかじめ確認してから来店するお客さまもいます。自社商品であれば、オンラインで発注したものを店舗で受け取ることもできます。

――オンラインマーケットプレイスを導入した経緯は?

お客さまにより多くの選択肢を提供できるようにしたいと考えました。マーケットプレイスの導入によって、自社ブランドのみならず、他社のブランドやスポーツ用品を提供できるようになりました。

他社のブランドやスポーツ用品もマーケットプレイスを通じて私たちの顧客に販売できますし、私たちがカバーできていなかった商品と出会うことができています。

メジャーなスポーツはもちろん、マイナースポーツであろうが、ニッチスポーツであろうがマーケットプレイス上でほぼほぼ取り扱うことができるようになっています。

このマーケットプレイスによるデジタルエコシステムを、技術的な面を心配しなくても導入できています。

それができるのはMiraklがサポートしてくださっているおかげです。複雑な仕組みを先進的な技術によってサポートいただいており、とても助かっております。

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事