米・Amazonは11月17日、2024年から米国で自動車のネット販売を開始すると発表した。顧客が米国のAmazonストア「Amazon.com」で好みの車を見つけて購入し、地元のディーラーで受け取ることができるようにする。まずは韓国の現代自動車（ヒュンダイ）と提携し、同社の自動車の販売から開始する。
米・Amazonと現代自動車は広範な戦略的パートナーシップを発表した。今回の発表は「ロサンゼルス（LA）オートショー2023」で行われた。この戦略的提携には、Amazonが2024年に米国でヒュンダイの自動車のネット販売を開始すること、ヒュンダイがデジタル変革を促進する優先クラウドプロバイダーとしてAWSを指名すること、そしてヒュンダイの次世代車にAlexaビルトインエクスペリエンスを搭載することが含まれている。
車両販売では、ヒュンダイが2024年に自動車ディーラーとして初めて「Amazon.com」で車両を販売できるようにする。顧客はオンラインで新車を簡単に購入し、自分にとって最適な時間に地元のディーラーで車を受け取るか、配達してもらうことができる。顧客はモデル、トリム、色、機能などのさまざまな好みに基づいて、入手可能な車両をAmazonで検索し、好みの車両を選択し、選択した支払いおよび融資オプションを使用してオンラインでチェックアウトすることを可能にする。
クラウドでは、ヒュンダイが優先クラウドプロバイダーとしてAWSを選択した。コンピューティング、ストレージ、データベース、分析から生成AIやモノのインターネット (IoT) までAWS機能を使用してデジタル変革を加速する。新たな複数年契約の一環として、ヒュンダイは研究、製品エンジニアリング、顧客エンゲージメントのすべてをサポートする現在のオンプレミスアプリケーションをAWSに移行し、クラウドファーストのテクノロジー戦略を持つことによりデータドリブンな組織になる予定だ。ヒュンダイは生産の最適化とコストの最小化を支援する製造とサプライチェーン、回復力を高めるためのセキュリティと災害復旧、世界中のドライバーに新機能を提供するためのコネクテッドカー開発などのビジネスケースを優先する。AWSとヒュンダイは、ヒュンダイのエンジニアに重要なクラウド スキルをトレーニングするためのマスター ビルダー トレーニングおよび認定プログラムを設計および実装した。
車載ソリューションでは、2025年からヒュンダイの次世代車を購入する顧客が、自宅でも車内でもハンズフリーのAlexaエクスペリエンスにアクセスできるようにする。ヒュンダイのドライバーはAlexaで簡単に音楽、ポッドキャスト、オーディオブックの再生、リマインダーの設定、ToDo リストの更新、カレンダーの確認を依頼できるようになる。また、顧客は帰宅途中に家を暖めるように依頼したり、ドアがロックされているかを再確認したり、スマート照明やAlexaルーチンを管理したりするなど、外出先からスマートホームを制御できるようになる。ドライバーはAlexaに最新の交通情報や天気予報を尋ねたり、車載メディア プレーヤーやナビゲーション システムを音声で制御したりすることもでき、ネット接続が断続的または利用できない場合でも、特定のAlexa機能にアクセスできる。
米・Amazonのアンディ・ジャシーCEOは、「ヒュンダイは、顧客の毎日の生活をより良く、より楽にしようとするアマゾンの情熱を共有する非常に革新的な企業です」と述べた。
さらにジャシーCEOは、「私たちの広範で戦略的なパートナーシップは、顧客がオンラインで車両を簡単に購入できるようにすることから、エンターテイメント、ショッピング、スマートホームの調整、カレンダーの確認のためにヒュンダイ車でAlexaを簡単に使用できるようにすること、そしてヒュンダイがAWS に移行することで顧客エクスペリエンスとビジネス運営を変革します。私たちは何年にもわたって一緒に発明できることを楽しみにしています」とコメントしている。
ヒュンダイのジェフン・チャンCEOは「われわれがポートフォリオの拡大、販売ネットワークの拡大、電動化への移行、スマートモビリティの未来の実現を継続する中で、世界で最も顧客中心の組織の1つと提携することで、信じられないほどのチャンスが開かれる」と述べた。
チャンCEOは、「アマゾンは、人や物の移動方法をより効率的かつ持続的に改善するなど、人類の進歩という当社のビジョンの実現を支援する理想的なパートナーです。ヒュンダイは、Amazonの米国ストアで完全なエンドツーエンドの取引を利用できる初の自動車会社であり、これは、当社が優れた小売パートナーと協力してカスタマー ジャーニーを向上させる方法をどのように推進し続けているかを示すもう1つの例です」と話している。
