2023.11.16

中川政七商店、工芸ECモール「さんち商店街」始動 メーカーの販路支援、制作から集客、物流まで支援

中川政七商店はこのほど、「中川政七商店ECサイト」において、工芸に特化したECモール「さんち商店街 Selected by 中川政七商店」を始動した。全国のものづくりメーカーへの販路支援を目的としており、会員71万人を顧客基盤にもち、4000アイテムを展開する中川政七商店のECプラットフォームを活用し、EC運営で直面する3つの難しさ(サイト制作・集客・物流)の解消をサポートする。2026年度には売上2億円・出店数40ブランドの規模拡大を目指しており、サービス開始から1カ月の初動結果として、出店ブランド「明山窯」の主力商品が「さんち商店街」出品によって5倍の売上に成長したと合わせて発表した。

中川政七商店は「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げる奈良県の老舗企業。工芸業界初のSPA(製造小売り)業態を確立し、全国約60の直営店、および会員71万人のECサイトを運営するほか、工芸メーカーへの経営コンサルティング・教育事業・流通支援などを多岐に渡り展開している。

2023年10月に、自社初のECモールとなる「さんち商店街 Selected by 中川政七商店」を「中川政七商店ECサイト」にてスタートした。


工芸に特化したECモール「さんち商店街」は、中川政七商店がものづくり現場を取材し、ブランドページ・商品ページをすべて制作。ブランドの新たな魅力を引き出すとともに、サイト制作・維持の難しさを解消する。


▲サイト制作・維持の難しさを解消

中川政七商店の会員71万人の顧客基盤を活用し、メールマガジンやSNSでの発信により集客の難しさ解消を支援する。


▲集客の難しさを解消

自社の物流システムを活用し、商品発送・問い合わせにも対応。出店ブランドは在庫を在庫を中川政七商店に預けるだけでよく、発送・対応の手間と物流コストを解消するという特徴も備える。


▲発送・対応の手間と物流コストを解消

ECチャネルはコロナ禍を経て一層盛り上がり、工芸メーカーにとっても直接生活者とつながれる貴重な販路となっている。一方で、ECサイトの運営や集客、物流管理は、ものづくりを主軸とする中小メーカーにとって大きな費用・手間となり、うまく軌道に乗せられていない事業者が多いのも実態だとし、こうした悩みを抱える工芸メーカーの販路支援として、工芸に特化したECモール「さんち商店街」の提供に至ったとしている。

ECサイトをの運営をはじめ、多岐に渡る事業を展開してきた中川政七商店は、「さんち商店街」により「EC領域の支援」が加わることにより、工芸メーカーへの販路支援のさらなる拡充を図るとしている。短期的な売上だけでなく、ものづくりブランドが世の中に知られ、ファンを増やし、飛躍するためのルートとなることがゴールだとし、1つでも多くの工芸メーカーが自立し、事業を継続していく仕組みこそが「日本の工芸を元気にする!」との考えを示した。「さんち商店街」は、2026年度に売上2億円・出店数40ブランドの規模拡大を目指す。


▲「明山窯」のブランドページでこだわりや魅力を発信

すでに出店しているブランドの紹介では、信楽焼の土味を活かしたうつわを販売する「明山窯」が、「さんち商店街」での発売後約1カ月で、自社ECでの販売に対して約5倍の売上につながったとしている。越前和紙のアクセサリーを販売する「YURAGU」においても、ブランド立ち上げ初期ということもあり自社ECでの既存売上は僅かだったのに対し、「さんち商店街」掲載後は欠品が続出するほど人気アイテムへと成長していると明かした。




RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事