2023.10.22

メルマガとLINEの利用動向に差も ユミルリンクとライトアップが利用実態を調査

ユミルリンクとライトアップはこのほど、CRM施策として有用な2つの媒体、メールマガジンとLINEに関する共同調査を実施し、その結果を公開した。登録のきっかけは双方ともに「クーポン」で、LINEのほうがより顕著にクーポン利用を目的にしていること、メッセージをきっかけにECの買い物で利用する金額はメールマガジンの方が高いことなどがわかった。

ユミルリンクは、インターネット黎明期から今日に至るまで、マーケティングツールとして重要なメールマガジンと、今やコミュニケーションツールとして不動のツールとなり、ビジネスツールとしても有用なLINEの2つのマーケティングツールについて、実際にどのように利用されているのか、ライトアップと共同調査を実施した。

調査期間は、2023年8月25日~8月28日、調査対象は全国の20歳以上の男女で、企業やブランド、店舗などのメールマガジンに登録している人と、LINE公式アカウントを登録している人で、1110人から有効回答を得た。

登録のきっかけをたずねた問い(複数回答)では、ともに、1位は「クーポンがもらえる」だったが、メールマガジンが57.8%、LINE公式アカウント60.5%のとLINEのほうがより顕著にクーポン利用を目的としていることがわかった。また、「キャンペーンやセール情報が知りたい」「商品やサービスの情報が知りたい」といった情報収集を目的とした登録理由は、LINEの方が軒並みメールマガジンよりも低い結果となった。



アプリを開くときをたずねた問い(複数回答)では、「通知がきたとき」が双方ともに1位で、メールマガジンが58.8%、LINEが56.9%だった。2位は「未読のメッセージを確認したいとき」でメールマガジンが52.3%、LINEが47.8だった。メールマガジンの方が割合が高かった1位、2位に対し、3位の「クーポンの確認・提示」は、LINEが39.3%、メールマガジンが37.9%とLINEの方が割合が高く、LINEを利用した実店舗でのクーポン利用が定着していることが関係しているとの考えを示した。また、メールマガジンに比べ、LINEはWeb上での情報確認に利用する頻度が低いこともわかった。



これらの結果から、メールマガジンは情報収集やECでの購買活動などWeb上での活用が多いようだとした。一方でLINEは、情報収集やWebでの利用シーンは少なく、リアルでのクーポン利用など、より実生活に根ざした目的で使われていることがわかったとしている。

メッセージをきっかけに取った行動についてたずねた問い(複数回答)では、メールマガジンは、「Webでクーポンを利用する」(48.6%)、「気になった商品やサービスをWebで購入・申し込む」(45.7%)という行動が上位となり、Webでの購買行動に大きな強みがあると考えられる。



一方LINEは、1位が「Webでクーポンを利用する」(45.7%)、2位が「気になった商品やサービスの情報をWebページやSNSで検索する」(35.3%)だった。さらに「店舗でクーポンを利用する」の割合も35.3%と高く、Webも含めてメールマガジン以上にクーポン活用へのモチベーションが高いことがうかがえる結果となった。反面、その場で利用する利用形態には強いものの、検索や申込みなど、新たな行動へ誘導することは難しいことがわかるとしている。

メッセージをきっかけに1回の買い物での最大使用金額をたずねたところ、メールマガジンは店舗(20.2%)、EC(17.0%)ともに「2000円以上4000円未満」が最多となった。また、ECでの購入は、どの金額帯でもメールマガジンがLINEを上回る結果となっており、4位に「1万円以上」という高額な金額帯がランクインしていることからも、メールマガジンはWebでの購買行動に影響しているようだとの見解を示した。



LINEに注目すると、0~6000円までの金額帯では、ECよりも店舗での購買行動の割合が高い結果となった。一方でもっとも回答が多かったのは、「申し込みをしたことがない」(店舗18%、EC18.8%)だった。先の質問のメッセージをきっかけに取った行動と併せて考えると、LINEは店舗でのクーポン利用促進に向いていると言えそうだとしている。

「テキスト」「画像」「動画」はどの程度見ることが多いかをたずねた問いでは、「すべて見る」「気になった情報だけ見る」と回答した割合が、テキスト・画像・動画ともにメールマガジンの方が高く、より見られていることがわかった。一方で画像に関しては、「すべて見る」を選択した割合がLINEのほうが高く、クーポンを含めた画像情報への注目度は高いことがうかがえる結果となった。



配信停止(LINE公式アカウントはミュート・ブロック)のタイミングについて質問したところ、ともに「興味のない情報」がもっとも多く、メールマガジンは65.4%、LINEは約43%の回答を得た。メールマガジンの2位は、「配信頻度が多いと感じたとき」で41.7%だった。



一方、LINEは、「配信頻度が多いと感じたとき」はブロックが29.2%、ミュートが31.2%で、ブロックよりもミュートの原因となることがわかった。また、「1通あたりの情報量が多く読み切れない」こともミュートの原因となっていることがわかった。これは1通ずつ蓄積されるメールと、アカウントごとに表示されるLINEとのUIの違いが影響していると考えられる。



LINEのブロック理由の2位には、「登録した覚えがないアカウントからメッセージが届いたとき」(31.2%)があげられており、メールマガジンに比べて順位が高くなっている。LINEはメールマガジンよりも登録ステップが簡潔なため、目的を果たした後に登録したことを忘れてしまっているなどの原因が考えられるとした。

これらの結果を受け、ユミルリンクは、実際にユーザーがどのように使っているのか、メールマガジンとLINEの利用実態が見えてきたとし、推測されるメールマガジンとLINE利用実態、双方の特徴について振り返るとともに。それらを踏まえた適した使用目的やクリエイティブについてまとめた。

メールマガジンは、適した目的に「長期的な関係構築を狙った情報提供やWebの購買行動を促すツール」、適した内容に「報提供・Webキャンペーン・会員情報」、適したクリエイティブに「ある程度情報を理解できる詳細な内容」を挙げ、注意する点は、配信頻度(週2回以下)とテキストボリュームとした。

対してLINE公式アカウントは、適した目的に「手軽さ・身近さを生かした即時アクションを促すツール」、適した内容に「クーポン配布・キャンペーン告知など」、適したクリエイティブに「メリットや求める行動が明確にわかる短く簡潔な内容」を挙げ、注意する点は、配信頻度(1日1回以下)とテキストボリューム(画像中心)とした。

顧客との接点を創出し、リレーション構築を行うCRM施策のツールとして代表的なメールマガジンとLINEは、どちらがより効果的かといった比較対象になりがちだが、実際のユーザーの利用状況を調査すると、活用のされ方は双方で大きな違いがあることがわかった。メールマガジンとLINEは、比較してどちらか一方を取捨選択するのではなく、目的に応じて使い分けることで、その利用価値を最大化することができるとの考えを示した。

今回の調査結果の完全版「メールマガジンおよびLINE公式アカウント登録ユーザーの動向調査結果レポート」は、ユミルリンクのWebサイトにて配布している。




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