2023.08.01

食のD2C「Muscle Deli」、製糖メーカー大手「DM三井製糖」の子会社に 総合フードサービス領域を開拓

写真左からDM三井製糖 代表取締役社長CEO 森本卓氏、マッスルデリ 代表取締役CEO 須藤大輔氏、取締役CPO 西川真梨子氏

Muscle Deli(マッスルデリ)は7月31日、三井物産、三菱商事を主要株主とする国内製糖メーカー最大手のDM三井製糖とのM&Aに合意し、2023年7月よりDM三井製糖の子会社となったと発表した。食のD2Cスタートアップのスピード感と、製糖最大手の研究開発力を活かし、タンパク質をはじめとした機能性素材を用いた総合的なフードサービス領域を開拓することで成長を目指す。

2016年創業のMuscle Deliは、「人と地球をカラフルに」というパーパスを掲げ、ボディメイクやダイエットに取り組む人にタンパク質をはじめとした最適な栄養素の食事を届けるボディメイクフードサブスクリプション事業「Muscle Deli」、個々の目的や好みに合わせた食事を届けるカスタムミール事業「YOUR MEAL」などを展開してきた。


▲ボディメイクフードサブスクリプション事業「Muscle Deli」、顧客の好みに合わせた食事を届けるカスタムミール事業「YOUR MEAL」などを展開

このほど、Muscle DeliはM&A合意に基づき、DM三井製糖に投資家・経営株主が所有する株式の一部を譲渡するとともに、DM三井製糖を引受先とした第三者割当増資を行うことで、2023年7月よりDM三井製糖の連結子会社となった。

DM三井製糖は、三井物産、三菱商事を主要株主とする国内製糖メーカー最大手。「姿かたちを変えながら一生に寄り添い、幸せの時を広げる。」という企業理念を掲げ、メイン事業である砂糖事業に加え、ライフ・エナジー事業として栄養や健康領域に視野を広げ、特に「タンパク質」の機能に着目することで、若年層からシニアまでそれぞれの世代に合った形で商品とサービスを提供する「Nutrition By Life Stage」により“人と社会の幸せの ちからになる”ことを目指している。

Muscle Deli、DM三井製糖の両社は、掲げるビジョン・ミッションへの共感を出発点として協議を進め、製糖最大手のDM三井製糖が持つ研究開発力や、主要株主である三井物産・三菱商事の両商社が保有するリソースやネットワークとの連携を図り、Muscle Deliの食のD2Cスタートアップとしてのスピード感を活かし、タンパク質をはじめとした機能性素材を用いた総合的なフードサービス領域を開拓していくことを目指し、M&Aの合意に至ったとしている。



Muscle Deliは今後、DM三井製糖の知見や知財を活かした「Muscle Deli」や「YOUR MEAL」における新商品開発や、シニア層向けの新商品開発と新規事業の立ち上げを進めるとともに、食のD2CスタートアップなどのM&A等も積極的に推進することで、DM三井製糖が目指す総合的なフードサービス領域における開発&流通プラットフォーム企業としての成長を目指す考えを示した。

DM三井製糖は、2021年4月に製糖業界首位の三井製糖と、三菱商事グループだった同2位グループの大日本明治製糖の経営統合により発足したDM三井製糖ホールディングスのもと、2022年10月に両社が合併したことにより誕生。現在、国内製糖業で4割程度の市場シェアを有しており、2021年には製糖業史上最大のM&Aを実施した。

2022年には、DM三井製糖とその連結子会社である高齢者や病院向けに栄養療法食品・嚥下障害対応食品事業を営むニュートリーが、テルモから栄養食品事業の資産を譲り受ける契約に合意したほか、色素・ゲル化剤・食品添加物等に関する知見を持つタイショーテクノスなど連結子会社も有し、今後もDM三井グループとしてM&Aを通じて「食」の変化に対応した事業拡大を目指している。今回のMuscle DeliのM&Aを皮切りに、栄養補給の付加価値食品に描くストーリーを共有できるパートナー企業を今後も募っていく方針としている。

今後も「Nutrition by Life Stage」をキーワードに、DM三井グループの素材や技術を複合する研究開発を軸に新たな事業の柱を創出し、国内では在宅市場への展開を見据えた介護・医療食品事業の拡大、海外では各国市場に即した製品展開を通じて、拡大する高齢化市場におけるプレゼンスを示していくとした。



今回の子会社化に伴い、Muscle Deliは、DM三井製糖より取締役常務執行役員ライフ・エナジー事業開発本部長 兼 海外事業本部長の津田琢哉氏、ライフ・エナジー事業開発本部事業開発部長 兼 DM三井グループ研究所長の奥野雅浩氏、同本部事業開発部次長の中村文彦氏を非常勤取締役に、同部BD推進グループの北野嶺氏を取締役に迎えた。

Muscle Deliの既存経営陣は、引き続き経営株主として一部株式を所有し、今後もMuscle Deliの成長を実現していくとしている。親会社となるDM三井製糖と連携し、事業をより強く推進していくため、創業者であり、代表取締役CEOであった西川真梨子氏は、取締役CPO(Chief Product Officer)となり、新商品のプロダクト開発など新しいサービスラインの開発により集中できる体制にする。

これまで取締役であった須藤大輔氏を新たに代表取締役CEOに選定、今後の事業・組織の規模拡大に向けた舵取りを任せていく経営体制となった。さらに現任の社外取締役 小谷翔一氏、執行役員の篠田開斗氏、山岡大介氏に加え、新たに執行役員CTOとして廣瀬竹伸氏が就任した。


▲新経営陣。代表取締役CEOだった西川真梨子氏(前列右から2人目)は取締役CPOになり、取締役だった須藤大輔氏(前列中央)が新たに代表取締役CEOに就任

今回の取り組みにあたり、Muscle Deli 代表取締役CEO 須藤大輔氏は、「このたび子会社化にともない代表取締役となり、責任感を持ち、より一層チャレンジしていきたいと考えております。製糖最大手であるDM三井グループの研究開発力をはじめとしたリソースと、私達スタートアップのスピード感をはじめとした柔軟な意思決定が化学反応を起こす事で、世にないプロダクト開発や大企業×スタートアップの新たな組織の在り方を追求していきたいと考えております」とコメントした。


▲Muscle Deli 代表取締役CEO 須藤大輔氏

DM三井製糖 代表取締役社長CEO 森本卓氏は、「本株式取得により、DM三井グループが有する素材・研究開発力と、Muscle Deliが有するスタートアップとしてのスピード感・マーケティング力を掛け合わせることで、フードサービス領域のバリューチェーンの強化を図ります。そして、若年層からシニア層までそれぞれの世代に合った形での商品・サービスを提供する『Nutrition By Life Stage』の実現に向け、グループ総合力を最大限に発揮していきたいと考えています」と述べた。


▲DM三井製糖 代表取締役社長CEO 森本卓氏

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