2023.08.02

日本酒「久保田」の朝日酒造、EC売上高が約25%増 体験やコンテンツで魅力伝える

営業本部 国内事業部 直販営業課 課長 酒井鉄平氏

朝日酒造はSNS発信や体験イベントの開催が奏功し、今年3~5月のEC売上高が前年同期比約25%増と伸びている。近年の「酒離れ」の傾向の中、日本酒ブームの影響もあり、20代の購入も多いという。

「酒蔵から直接買いたい」というニーズに応え、ECサイトを開設した。主力の「久保田」は全17種あるが、販売店で全てを入手することは困難だという。ECサイトで飲み比べできるセットや、好みの種類を購入できる点が好評だ。購入者の年齢層が幅広いため、ECサイトは分かりやすくシンプルなデザインにしている。


▲長岡市の酒蔵の外観

「EC開設当初は販売数を読み切れず、手探り状態だった。運営側は担当部署を掛け持つなど忙しかった。顧客からの意見の反映や社内での調整を進め、発送までのリードタイムの短縮を実現した」(営業本部 国内事業部 直販営業課 課長 酒井鉄平氏)と振り返る。

ECサイトには、既存のファンが訪れるだけではなく、SNSやコーポレートサイトの情報コンテンツ経由で来報する新規顧客も多い。都内の特設イベントや本社併設の酒蔵の見学などリアルでの体験からECサイトの利用に至る顧客もいる。

情報コンテンツは日本酒のアレンジやおつまみのレシピ、社員やファンの声を集めたコラムなどを発信している。

酒蔵の見学は、季節限定の「60分製造工程見学コース」と、通年実施の「20分見学コース」がある。、コメから日本酒になり、瓶に詰める様子を見ることができる。


▲蒸しあがった米を麹室に移す様子

「久保田」という名前の認知度は高いが、種類ごとに味わいが異なることや、ECサイトの認知を高めることに関しては、まだ伸びしろがあるとみている。


▲水、米、麹を加え酒母を造っていく

「新規層はSNS、リピーターにはメルマガでの発信が効果的だと感じている。引き続き強化したい」(同)と語る。

「父の日だけ」「年末だけ」といった年1回の購入層も多いため、通年で楽しめるような飲み方を提案する。

「ECサイトを開設したことで、顧客の声を直接すぐに聞くことができるようになった。必要に応じて社内で撮り下ろし、美味しそう、飲んでみたいと思ってもらえるような商品画像にもこだわっていきたい」(同)と語った。





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