神奈川・秦野市に蔵を構える、明治元年(1868年)創業の金井酒造店は、昨年からECで酒類を販売している。古くから地元で愛飲されてきた、「白笹鼓(しらささつづみ)」ブランドの日本酒が人気となっている。色鮮やかな日本酒ベースのリキュールなどもよく売れているという。
2021年10月に自社サイトを立ち上げ、EC事業をスタートした。EC事業を始動した背景には、より多くの人に商品を届けたいという思いがあったという。
紫外線・温度管理といった品質保持の観点から、実店舗の棚で陳列して販売するのには向かない商品があったそうだ。「ECであれば、蔵出しした商品を直接消費者に届けることができるため、『品質』の問題をクリアできると考えた」(6代目蔵元・佐野博之社長)と言う。
同社の主力ブランドは、「白笹鼓」だ。神奈川・秦野市にある「白笹稲荷神社」への奉納酒でもあるという。地酒として、地元の人々に長く親しまれてきたとしている。
今年8月には、同ブランドのリニューアルを実施し、ボトルデザインを刷新した。「白笹鼓」の個性を10種類のカラーで表現する、シンプルなデザインに変更したそうだ。「地元・丹沢・秦野の魅力を、世界に届けたい」としている。
同社では、日本屈指の名水である丹沢伏流水を使い、越後杜氏の流れをくむ確かな醸造技術をもとに、高品質の日本酒を製造してきたそうだ。「そのような酒作りの環境を感じ取ってもらいやすいように、トップ画像やLPなどは、清涼感・爽快感を備えた世界観を表現している」と話す。
最近ECサイトで人気が高いのは、清酒ベースの果実リキュールの商品群だという。爽やかな酸味と軽快な甘さの、日本酒ベースの梅酒「ウメザケ」や、酸味と甘さのある、鮮やかな赤色の酒「ナツハゼ」などを販売している。甘さと酸味のバランスが絶妙な、食用ホオヅキ「恋どろぼう」を使用した酒「ホオズキ」なども扱っている。各商品がストーリー性を備えている点も支持されているそうだ。
▲清酒ベースの果実リキュール「ナツハゼ」と「ホオズキ」桃色、赤、黄色など、色味の華やかなリキュールは、SNSでの反応も良いようだ。購入した消費者がSNSで感想を共有するケースもあるという。インフルエンサーが、同社のリキュールを取り上げるケースもあるそうだ。
ECには、SNSから流入する人が多いという。各SNS上で、ユーザーと積極的に交流しているという。