2023.07.07

【イトキン田中智史氏 × SCSKプレッシェンド 結城貴之氏】「F.ACE」導入で自社EC売上を5年で7倍に拡大

SCSKプレッシェンド 営業部 結城貴之氏(左)、イトキン執行役員WEBビジネス事業本部長 田中智史氏(右)


ECシステム、ロジスティクス、カスタマーサポート、「ささげ業務」などフルフィルメントサービス「F.ACE(フェイス)」を提供するSCSKプレッシェンドは6月29日、イトキンの執行役員 WEBビジネス事業本部長の田中智史氏を招いたEC事例のウェビナーを開催した。テーマは「EC事業の今と未来」。「F.ACE」を活用したOMOやコロナ禍をきっかけにしたEC化の加速、課題解決、自社EC売上を5年で約7倍に伸ばしたイトキンの取り組みを紹介したオンライン対談の模様を紹介する。

結城:2017年に他のサービスから「F.ACE」に切り替えた。背景について教えてほしい。

田中:EC化率が数%台だった当社が、中長期的な成長を見据えた時、EC支援のトップランナーだったSCSKプレッシェンドに注目した。業界の標準機能が備わっており、随時アップデートされ、外部ツールとの連携やニーズに柔軟に対応できる機能の拡張性を評価して導入を決めた。

同時にサポート体制も整っており、コミュニケーションが円滑にとれる。消費者を見据えた対応ができるSCSKプレッシェンドの営業担当者がいることも決め手だった。当社の再成長と伴走してくれるパートナーとして期待できると考えた。

ただ、こうした新しいシステムをどのように使いこなすかについて課題もあった。ECを強化していくためには、EC関連部署だけではなく、全社を巻き込んでいく必要があった。

結城:「F.ACE」を導入してからどのようなことを実施してきたのか?

田中:「F.ACE」を導入することで、店舗とECで分散していた在庫管理を一元化した。また、他社ECモールとの「ささげ」や在庫データの連携、お客さまの利便性を高めるサイズ比較の検討ツール、ウェブ接客ツール、レコメンド機能、決済手段の拡充が実現した。当時のアパレルECのトップランナーが、当たり前に実装していた標準的のツールが導入できるようになったのは大きい。

結城:導入前はキャンペーンの際に課題があったと聞いた。

田中:当社は27のブランドを扱っている。それぞれのブランドの特色を活かそうとすると、複数のキャンペーンを実施することができなかった。

「F.ACE」でブランドごとにキャンペーンができるようになり、他のブランドへの買い回りを促せるようになった。こうした当たり前のことができる機能がECの再成長と業界の標準化への第一歩だったと考えている。また「F.ACE」はECリテラシーに頼らずに、直感的な操作性に優れているため効果・検証を内製化でき、PDCAを回すことができるようになった。

結城:事業の再成長で意識したことはどんな点なのか?

田中:アパレルEC業界での遅れを取り戻すため、圧倒的なスピード感で、先行事例に追いつけるように進めてきた。当社の理念や思いを掲げながら取り組んだ。

結城:2020年以降はコロナ禍で大きく市場が変化した。

田中:コロナ禍をチャンスと捉え、全社一丸となって、EC化とOMOにスピード感を持って対応してきた。さらに店舗の販売員も含めてどうしたらECに向き合えるのかを考えてきた。

2020年を「オムニチャネル超加速元年」と位置づけ、店舗とECのシームレス化を加速させた。その一つとして、店舗の販売員がコーディネートを投稿できる「スタッフコーディネートツール」を導入したことで大きく売り上げを伸ばすことができた。コーディネートを見て販売員のファンになり、店舗に足を運んでくれる人が増えた。当初は顔を出すことをためらっていた販売員も今では積極的になっている。

「店舗EC決済」では、店舗で欠品があった場合にECで注文し、店舗で支払いが可能なツールだ。この機能も標準で備わっていることのメリットがあった。

成果をあげる店舗が出てきたことで、徐々に導入が増えた。当初2割だった導入店が現在は7割に広がっている。

結城:アプリの活用方法は?

田中:ECを強化してきたものの、店舗とECの顧客情報が一元化できていなかった。アプリを導入することで、デジタルスタンプカードを実装し、店舗でアプリをダウンロードしてもらい、顧客情報が「F.ACE」によって一元管理できるようになった。

結城:イトキンのECサイトの価値を高めると位置付けた2022年の取り組みについては?

田中:アプリを導入したことで会員が増加し、より操作性の高いサイト作りを目指した。例えば、お客さまが閲覧していた商品・コンテンツへの動線の短縮化や、27ある各ブランドのコンテンツへの導線を強化することを意識したサイト改修を進めた。

2023年は店舗とECの顧客体験価値を同じにすることを目標に、サービスを磨き上げることで、CX(顧客体験価値)とCS(顧客満足度)を高める方向で取り組んでいる。その一環として、今年4月に購入金額に応じた5段階の「会員ステージ」を設けた。

私にとってSCSKプレッシェンドはイトキンの未来を一緒に考えてもらえるパートナートと考えている。今後も「F.ACE」を活用して、業界他社との差別化に向けて取り組んでいきたい。


■ウェビナー申し込みはこちら
https://www.presc.jp/news/event/20230629/











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