2023.06.27

「北欧、暮らしの道具店」のクラシコム、ファッションD2C「foufou」を子会社化 海外進出や卸売りも視野

写真左からクラシコム 佐藤友子取締役、foufou デザイナー マール・コウサカ氏、クラシコム 青木耕平社長

ECメディア「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムは6月23日、ステイト・オブ・マインドが運営するファッションブランド「foufou(フーフー)」事業を買収すると発表した。クラシコムの培ってきたマーケティングや効率的な事業運営などに関するノウハウを活用し、共に成長を図る。新たに海外進出や卸売業などの展開も見据える。

ステイト・オブ・マインドがファッションD2Cブランド事業「foufou」を会社分割により独立させ、その会社の全株式を8月1日付で取得し、クラシコムの完全子会社とする。ステイト・オブ・マインドはfoufou事業の直近の売上高や営業利益は非開示としているが、デューディリジェンスを通じ、クラシコムとして売上高約4億円規模の事業であると判断したという。

「foufou」は、2016年にデザイナーであるマール・コウサカ氏が設立したファッションブランド。SNSを効果的に活用したEC販売を主軸にしたD2Cでありながら、全国各地で商品を販売前に試して予約できるリアルイベント「試着会」を開催、2022年には東京・祐天寺に実店舗をオープンするなど、ウェブ上にとどまらない展開で成長を続けている。


▲「foufou」の実店舗(東京・祐天寺)

「foufou」のブランドコンセプトは、「健康的な消費のために」。効率的なマーチャンダイジングで、着実に売り上げを成長させながら、創業から継続して、ほぼ100%を定価で販売し、ほぼ廃棄ゼロを実現している。


▲「健康的な消費のために」がブランドコンセプトの「foufou」

世界観を表現するWEB記事、動画、ライブコマース等のコンテンツを多様なエンゲージメントチャネルで発信することで顧客とつながる「ライフカルチャープラットフォーム」を形成している点で、「北欧、暮らしの道具店」と同様の特徴を持っている。

仕入商品とオリジナル商品の両方に取り組み、セレクトショップのようにさまざまな商品構成で成長してきた「北欧、暮らしの道具店」に対し、プロダクトブランドとして確立した「foufou」が仲間入りすることにより、新たに海外進出や卸売業などの展開に可能性を見据えながら、クラシコムの培ってきたマーケティングや効率的な事業運営などに関するノウハウを活用し、共に成長するシナジーを生む方針だ。


▲両社のシナジー効果

「foufou」のマール・コウサカ氏は、「たった1人、私の数着の手作りの服から始まった『foufou』は、今年で7周年を迎えます。ブランドを始めた時に『1着の服が売れたんだから、もしかしたら100着売れるかもしれない』と思ったことがあります。そして10周年を目前にした今は、『ブランドが10年続くことがあったら、もしかしたら100年続くかもしれない』と思っています。より良く、より長く続けていくには、『foufou』をこれまで以上に首尾一貫したブランドとして作っていかなければならない。そのために組織の内側から『foufou』としての理想や姿勢に基づいた仕組みを作っていきたいと強く思います」と話す。


▲マール・コウサカ氏

さらに「クラシコムは美学をもってフィットする働き方、生き方を体現する会社です。商売を続けていると、自分が『美しくないな』と感じる瞬間も少なからずあります。そんな時も自分の理想を崩さずにいられたのは、ずっと先を走っているクラシコムという会社の存在があったからだと思います。まだ朧げで歩みながら手探りし続けなければならない未来を、一緒に目指すというよりも、一緒に“悩み続け模索し続けてくれる”のはクラシコムだと信じています。これまで作ってきたfoufouらしさを、経営という視点でも体現してクラシコムの世界にもポジティブな影響を与えられる存在になりたいです。より良い10年目、そしてその先を目指していきます。変わり続けるfoufouを暖かい目で見守っていただけると嬉しいです」とコメントしている。



クラシコム 青木耕平社長は、「今回、『foufou』に仲間入りしていただきたいと思うに至ったのには、プロダクトブランドであることの可能性、魅力的なリーダーと世界観、クラシコムのミッションやカルチャーとの親和性など様々な理由がありますが、何よりも私自身が店舗や試着会に足を運んで目の当たりにした『foufou』のお客さまの存在がありました。『自分自身を労り、喜ばせる』ことに自然と関心を持ち、周囲の同じ世界を愛する人たちへの気遣いや喜びの共有をされる様子を前に、ぜひこのお客さまのコミュニティに対して貢献したい、という自然な動機を持つことができたことが背中を強く押すことになりました。今は何より「foufou」という卓越した世界観を持ち、健やかに成長しているブランドが共に歩める仲間に加わったことにワクワクしています。今後のクラシコムとfoufouのチャレンジにご期待ください!」と話す。





RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事