2023.06.20

【MonotaRO取り組むサプライチェーンの高度化とは?】常務執行役員 田村咲耶氏「購買データを駆使、あえてのアナログ戦略へ」

MonotaRO 常務執行役員 サプライチェーンマネジメント部門長 田村咲耶氏


パーソナライズのチラシ展開


ーー今後の戦略について。

マーケティングにおいては、オフラインマーケに注力していく。昨年12月末時点で、当社に登録している口座数は800万以上あり、毎年増えている。しかし、800万の中には、休眠になっている口座もある。こうした顧客の掘り起こしに取り組んでいく。

これまで当社はカタログを定期的に発刊してきたが、昨年でカタログ送付をやめた。これに代わるものとしてチラシを展開している。

紙1枚のようなものではなく、企業にパーソナライズしたチラシで小冊子のようなものを届けている。

パーソナライズするデータは、購買データやサイトの閲覧履歴など、数ある分析項目の膨大なデータを抽出・分析。その結果をチラシに反映している。当社のデータサイエンスティストと協力し、より精度の高いチラシを展開している。チラシはすでに数字にも効果として表れている。

他にも、在庫連携を強化した施策を行っている。

現在、2000万点超の商材があるが、当社が在庫として持つ商品は、一部の売れ筋アイテムが中心。それ以外の商品も強化するため、サプライヤーと在庫情報が連携できるシステムの提供を開始した。

現時点での在庫数や、補充はいつになるのか、何日で出せるか、などの情報も含めて連携できるようにした。両社で在庫管理の精度をあげていく。

在庫にこだわる理由は、納期が1日でも遅くなると、売り上げが変わってしまうためだ。一方、サプライヤーから見れば、在庫管理の精度向上で売り上げが上がる。結果、両社にメリットが生まれる。

当社が目指すのは、さらなるサプライチェーンの高度化である。高度化をさらに高めていき、ブランド力の向上や売り上げアップにつなげていくつもりだ。



【プロフィール】
田村咲耶(たむら・さくや)氏

大学院卒業後、2007年にボストン・コンサルティング・グループに入社。GEヘルスケアにて、マーケティング、工場のデジタル化推進、世界規模のサプライチェーン戦略の構築を担当。2020年3月にモノタロウに参画し、現在はサプライチェーンマネジメントと、マーケティング、CXマネジメント部門を管轄。





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