2023.04.10

【国内初】シェアリング倉庫サービス「WareX」、自社用倉庫の遊休スペースをシェアリング

Gaussはこのほど、シェアリング倉庫サービス「WareX(ウェアエックス)」において、事業会社の自社用倉庫のシェアリングサービスを開始すると発表した。2023年4月より自家用倉庫の登録受付をはじめ、7月頃よりシェアリング利用の開始を予定。これまで他社との活用手段が限られていた自家用倉庫の遊休スペースを流通させることで、倉庫の選択肢を拡大を目指す。

Gaussの「WareX」は、希望の条件に合った複数の倉庫へ一括で問い合わせを行い、すぐに最適な倉庫を見つけることができる新しい形のシェアリング倉庫サービス。登録は無料で、使った分だけ支払う従量課金制のため、無駄なく手軽に利用できる。

このほど「WareX」において、事業会社の自社用倉庫のシェアリングサービスを開始する。そもそも倉庫業は日本国民の生活を支える公共性の高い産業であり、倉庫業法では国土交通大臣の登録を受けていない倉庫において、寄託物品の保管を行う営業をなすことは禁じられている。そのため自社貨物のみの保管を目的とし、倉庫業法に基づく登録を要しない自家倉庫は、遊休スペースを他社と活用する手段が限られていた。

そこでGaussyでは、今回の自社用倉庫のシェアリングサービスが倉庫業法の規制を受けないことについて国土交通省に確認を行い、倉庫利用者が安全かつ安心して荷物を保管とができる自家用倉庫のシェアリングスキームを構築した。自社用倉庫の遊休スペースをシェアリングは、国内初の試みとなる。

通常、営業倉庫では倉庫提供者が貨物の保管責任を負うが、自家用倉庫シェアリングスキームでは、倉庫利用者が自ら貨物の保管責任を負う。倉庫利用者が自らの責任で安心安全に倉庫利用ができるよう、倉庫利用者・提供者において、Gaussyが独自に作成した自家倉庫の利用規約に則して倉庫運営が行われる。また、「WareX」の利用に際し、倉庫利用者が営業倉庫と自家用倉庫を誤認しないよう、「WareX」内の倉庫一覧ページ等に自家倉庫であることを明記。倉庫利用者がいずれの倉庫を選択しているか容易に認識できるよう表示を整備する。

2023年4月より自家用倉庫の登録受付をスタートし、7月頃よりシェアリング利用を開始する予定としており、自家倉庫を持つ事業会社を対象に、自家倉庫の有効活用に関するセミナー、自家倉庫登録の説明会を実施する。説明会は4月から毎週実施するとし、自社サイトにて申し込みを受け付けている。

今回のサービス開始により、Gaussyに留まらず倉庫シェアリングのさらなる普及、事業会社における遊休資産の有効活用などが期待されるとの考えを示した。



日本国内の倉庫面積は約1万8600万平米とされているが、そのうち自家用倉庫は約1万2200万平米(国土交通省データ等から推計)と、全体の約65%を占めている。昨今のEC市場の拡大により、倉庫需要は年々増加傾向にある。一方で、季節的な物流波動の影響を受けやすく、特に自家用倉庫においては第3者貨物を保管できないという制約から、閑散期には倉庫スペースが遊休化しやすいという構造的な課題を抱えている。

実際に倉庫スペース全体に対する遊休スペースの割合は、倉庫業法に基づく登録がなされた営業倉庫が27%の1730万平米であるのに対し、自家用倉庫は40%の4880万平米に達すると言われており、約3倍の遊休スペースが発生していることになる。

2021年6月に閣議決定された「総合物流施策大綱」において、「倉庫内の遊休スペースの有効活用を図ることにより、多様化する保管需要に対応する倉庫シェアリングの取組を推進する」ことが明記され、倉庫業界でも変革が図られている。

Gaussyでは、自家用倉庫の有効活用を本邦での物流効率化、事業会社における資産有効活用などに資する重要な課題と捉え、自家倉庫のシェアリングを検討してきた。今回のサービス提供により、新たに自家用倉庫の遊休スペースが流通することで、倉庫の選択肢を大幅に拡大した。フレキシブルな物流ネットワークの構築を加速させることで、倉庫が社会インフラとして重要な使命を果たしながら、国内産業のさらなる競争力強化に資するべく、引き続きサービスの拡充に努めていく考えを示した。




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