2023.03.05

クックパッド、生鮮宅配ボックス「マートステーション」新型機をホシザキと共同開発

クックパッドとホシザキはこのほど、クックパッドが展開する生鮮食品EC「クックパッドマート」において、商品受け取り用生鮮宅配ボックス「マートステーション」の新型機を共同開発した。約1年間の検証期間を経て良好な結果が得られたことから、今後新たに設置が決まった場所を中心に新型マートステーションの導入を開始する。安定した量産体制やさらなる冷却性能の追求を目指した。

クックパッドが運営するクックパッドマートは、卸売市場の仲卸、地域の生産者、人気の専門店、飲食店や惣菜店など、さまざまな出店者が販売する約1万2000種類の商品を1品から送料無料で購入できる生鮮食品ECプラットフォーム。利用者が注文した商品は、マンションのエントランスやコンビニエンスストア、駅など、1都3県の約1000カ所に設置された「マートステーション」に1品から送料無料で配送する。



このほど、業務用冷蔵庫の国内シェアトップクラスのホシザキ社と、生鮮宅配ボックス「マートステーション」の新型機を共同開発した。

ホシザキは、1964年に日本初の全自動製氷機を開発した総合フードサービス機器メーカー。技術力を活かし、業務用冷蔵庫の販売を1972年にスタート。現在、業務用冷蔵庫の国内シェアはトップクラスで、高い品質・耐久性・冷却技術だけでなく、省エネ性能の高さ、業態や設置スペースに応じた柔軟かつ多様な製品展開、ニーズに応じた小規模生産対応、保守点検など充実したアフターサービス体制などから、飲食店をはじめ多くの事業者に採用されている。

両社が共同開発した新型「マートステーション」は、冷蔵庫としての品質の高さ(冷却性能・省エネ性能)、既存機とのコンピューター部品・システムの互換性、保守・修理等アフターサービスの充実、原則入れ替え無しの修理対応、従来機比最小の設置面積、国内生産による生産リードタイムの低減、1台から生産可能という特徴を備える。

2022年に先行量産機を東京都内に設置し、運用ベースでの検証を開始。現在2カ所に設置しており、約1年間トラブルなく良好な運用ができていていることに加え、保守点検コストの削減や省スペースでの設置、小規模生産等が叶うことが実証され、新たな「マートステーション」設置場所に導入していくことを決定した。

マートステーションは、一般的な家庭用冷蔵庫や業務用冷蔵庫と異なり、公共の場に設置され、配送担当者や複数のユーザーが開閉する。そのためセキュリティを考慮した解錠システムや、頻繁な開閉に耐えうる温度監視・コントロールシステムなど、特殊な設計が必要となる。また、メンテナンス人員が常駐できる環境下ではないため、不具合を極力発生させない高い安定性が求められる。

クックパッドは、サービス開始前よりさまざまなプロトタイプを自社で開発・検証し、「マートステーション」の全体設計、機材選定、組込ソフトウェアの開発を行ってきた。サービス開始以降も、「クックパッドマート」のユーザーや「マートステーション」設置事業者のフィードバックにより得られた知見を活かして保守・アップデートを行う中、安定した量産体制やさらなる冷却性能を追求するため、2021年にホシザキへ相談。新型マートステーションの共同開発に着手に至ったとしている。

今回の取り組みにあたり、ホシザキ 中央研究所の佐々木誠所長は、「​​ホシザキは、お客様および社会の課題を、製品・サービスを通じて解決することを目指しています。『マートステーション』の共同開発においては、クックパッド様の課題を共有いただき、議論を重ねることで、双方の強みを生かすことができました。特にクックパッド様のソフトウェア、ハードウェアの開発のノウハウによって、時代のニーズに応える製品の提供につながりました。設置先オーナー様の安心感につながる信頼性の向上、クックパッドマートユーザー様へのより質の良い状態での食材のお届けに、貢献できると確信しています」とコメントした。

クックパッド 買物流通基盤部の長俊祐部長は、「『クックパッドマート』では、街中に設置している冷蔵庫『マートステーション』への生鮮食品の置き配を行っており、サービスを提供していく上で冷蔵庫は非常に重要な構成要素となっています。今回、ホシザキ様との共同開発によって信頼性が高い『マートステーション』を開発できたことで、食の安全・安心やユーザー様にとっての利便性をより安定的に高いレベルで実現できたほか、メンテナンス頻度の低減などによる、より円滑なサービス運営につながっていくと期待しています」と述べた。




RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事