2023.02.26

下着メーカーの島崎、敏感肌用の下着を展開 乳がん術後の悩みに寄り添う「前開きブラ」が人気

「前開きブラ」は多くの デザインを展開

下着メーカーの島崎は2016年1月から、「Fleep公式通販サイト」を運営している。

「Fleep」の商品は、糸のよりを戻し、空気を含んでやわらかくなる「スマイルコットン」という綿を使用しており、アトピーなどに悩む敏感肌の人も使用できるのが特徴。裏側にある縫い目やタグも、肌の弱い人にとっては刺激となってしまうため、縫い目やタグを表側にし、肌への負担を減らした。ショーツのゴムに当たるとかぶれてしまう人もいるため、伸縮性の良い「パワーネット」を使用している。

売り上げを支えているのは、「シンプルシリーズ」。同社の定番商品であり、特に「シンプル前開きブラ」が人気となっている。前のボタンはプラスチック製で、金属アレルギーの人も使用でき、ノンワイヤーのため、締め付けが苦手な人にも適している。産後の女性が授乳用として購入するケースが多く見られたが、最近は乳がんの術後にも良いと口コミで広がった。「患者であるユーザーが、良いブラジャーがあると病院などで話してくれている」(営業部・Fleep広報担当の吉澤里美氏)。この話を耳にした医療機関から、カタログを置かせてほしいという要望が増えた。現在は、約180ヵ所の医療機関に、カタログやサンプルを設置しているという。

乳がんの人の利用が増えたことから、同社では2015年から「ピンクリボンアドバイザー認定試験」を受けている。「正しい知識を身に付けて、ユーザーの話に寄り添えるように」という方針から、嶋崎社長や社員の全員が試験を受けている。

40~60代のユーザーも多いため、ECだけでなく、カタログ通販も行っている。肌の悩みや、自分に合う商品を教えてほしいという電話の問い合わせも多い。「コールセンターはなく、営業や総務など部署は関係なく社員は誰でも電話を受ける。そのため、社員は全員、商品について応えられるようにしている」(同)と言う。思いやりを持った接客で、信頼関係を築いているようだ。


▲レースがデザインされたファッションシリーズも人気

「Fleep」は敏感肌の男性用肌着も展開している。

「前開きブラ」を含め、口コミは広がっているが、本当に必要としている人にもっと認知を広げたい考え。「SNSやインスタライブも行っているが、それだけでは届かない」(同)として、さらに多くの人にブランドの存在を知ってもらうことが課題としている。





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