2023.01.26

「オンラインモールに関する相談は匿名でも可、気軽に利用を」 「デジタルプラットフォーム取引相談窓口(DPCD、オンライン事業者向け)」の初年度運用結果から

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)の万場徹専務理事


返品要件はオンラインモールごとに異なることも


「一般利用者からの返品等に関する事項」も87件と多くの情報提供が寄せられた。この類型でよくある相談としては、出店者が設定している返品交換の条件とは別に、オンラインモール運営事業者が購入者からの返品ルールや返品受入れを決定している、というものがある。

「出店者はそれぞれ返品規定を定めていると思うが、それと異なるルールや判断でオンラインモール運営事業者が返品を受けていることについての相談がある。オンラインモールによって返品ルールは異なっていることもある。同じオンラインモールでも、利用するサービスによって条件が異なることもある。これについては双方のいい分があるだろうが、出店者とオンラインモール運営事業者が契約を交わす際の規約がある。出店者もビジネスで取引する以上、その規約を読んで、しっかり理解することが重要である。窓口では相談者が規約をより理解できるようご説明・アドバイスすることもある」。(同)

実際利用事業者から、アカウント停止関係において、「規約をよく理解しておらず違反が累積してアカウント停止となってしまった」との相談も寄せられている。



DPCDに寄せられた相談内容は、相談者の利益を害さないよう細心の注意を払いながら取り扱っている。

「相談はしたいがオンラインモール運営事業者に相談内容を伝えないでほしいという相談者もいらっしゃる。窓口では、相談者の承諾を得ない限り、相談内容や相談者に係る情報をオンラインモール運営事業者に伝えることはない。相談内容に応じて、オンラインモール運営事業者への照会を行うこともあるが、相談の解決や事実関係の把握のために特に必要な場合に限って行っており、また、照会に当たっては相談者の了解を事前に得た上で行うなど、相談者の方々に配慮した運用としており、情報管理も徹底している」(同)。

令和4年4月からDPCDは2年目に入っている。今後の課題や抱負を万場氏に聞いたところ「匿名の相談が多いので、声なき声を拾うという意味で実態をつかむためのヒアリングは引き続き実施していきたいと考えている。相談者に本音を伺うのは重要だし、対面が難しい利用事業者については、オンラインミーティングやお電話でもお話を伺っている。そして、そのヒアリング内容は、モニタリング・レビューという透明化法に基づく運営サイクルに反映され、デジタルプラットフォームの自主的な改善を促すことに繋がる。相談内容については、相談者の利益を害さぬよう細心の注意を払いながら取り扱っている。是非安心して気軽に相談してほしい」(同)。





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