ECサイト構築/通販システム構築・支援を手がけるエルテックスは12月20日、通信販売に関する「消費者の行動や意識」を集計・分析した調査結果「通信販売レポート」の最新版を公開した。EC・通販で商品購入者の約半数がSNSを購入のきっかけや参考としており、全年代でYouTubeのスコアが高いことなどがわかった。
エルテックスは、ECサイト・通販システムの統合構築を積極的に推進しており、EC/通販に関する市場動向を考慮した独自調査を2013年より行っている。2022年11月26日～30日に、その最新版となる「通信販売に関する【消費者調査】2022」を実施した。調査エリアは全国、回収サンプル数は600となる。
ECを含む通信販売（以下：通販）で買い物をした際に、購入のきっかけや参考にしたSNSがあるかをたずねた問い（複数回答）では、全対象者の49.5％が参考にしたことがあることがわかった。参考にしたSNSでもっとも回答が多かったのは、「YouTube」（27.6％）だった。2位以降は、「LINE」（16.8％）、「Twitter」（16.2％）と続き、4位の「Instagram」（12.5％）までが10％を超える回答を得た。
【通販を利用する際に参考にしたSNSがありますか？（複数回答）】
年代別で見た場合、20代では「Instagram」が40％、30代では「YouTube」が37.5％と、各年代でのスコアトップとなった。20代では、SNSをきっかけや参考にはしていないと回答した人は23.3％にとどまり、全般的に20代はEC・通販購入時にSNSとの結びつきが強いという傾向が確認できた。
【＜年代別＞通販を利用する際に参考にしたSNSがありますか？（複数回答）】
「YouTube」に関しては、年代が高くなるにつれスコアは減少していくものの、60代でも21.7％がきっかけや参考にしていると回答していることから、EC・通販の購入に対する影響力が他のSNSよりありそうだとしている。
ECサイトの決済方法でこれまでの利用経験に関わらず、今後使いたいものをたずねた問い（複数回答）では、もっとも多かった「クレジット決済」が77.3％、次いで「その他決済（Amazonペイ、LINEペイ、楽天ペイ、Yahooウォレット、PayPayなど）」が29.6％、「アプリ決済（アップルペイ、グーグルペイ）」が28.5％だった。
【ECサイトの決済方法で今後使いたいものは？（複数回答）】
もっとも多くの回答を得たクレジット決済だが、2021年の調査と比べると－2％とスコアを下げた。その他、2021年との調査比でもっともスコアを下げたのは「コンビニエンス決済」（-8.6％）だった。
一方、2位の「その他決済（Amazonペイ、LINEペイ、楽天ペイ、Yahooウォレット、PayPayなど）」は2021年の調査比で＋1.1％と2020年の調査以降プラス成長が続いた。3位の「アプリ決済（アップルペイ、グーグルペイ）」は、2021年比＋22.6％と急伸する結果となった。
ECサイトの決済方法の「その他決済（Amazonペイ、LINEペイ、楽天ペイなど）」で、これまでの利用経験に関わらず、今後使いたいものをたずねた問い（複数回答）では、「PayPayオンライン」が36.7％ともっとも多くの回答を得た。先の問いで「その他決済（Amazonペイ、LINEペイ、楽天ペイなど）」を今後利用したいと回答した人は、前年比で1.1％と微増にとどまっていた。内訳では「PayPayオンライン」が年次増加する一方で、その他決済方法の多くは年次減少といった傾向が明らかになった。
【ECサイトの決済方法の「その他決済」で今後使いたいものは？（複数回答）】
通販やECを利用したことがあるユーザーに対し、個人で保有している、または自宅利用できる機器をたずねた問い（複数回答）では、「スマートフォン」が91.0％ともっとも多く、「パソコン」（69.5％）、「テレビ」（66.3％）、「タブレット」29.3％）と続いた。
【あなたが個人で保有している、または自宅で使うことができる機器は？（複数回答）】
2021年の調査で90％を超えたスマートフォンが91％に伸びたほか、1.6％増加したタブレットが3割をうかがう数値となった。「携帯電話（フィーチャーフォン）」は前年に9.5％と1割未満となったが、2022年も9.3％と下げ止まった様子がうかがえる。「AIスピーカー」は前年比では微増なものの、8.2％の保有率にとどまり広く普及しているとは言えない状態であることもわかった。
