私、工藤一朗(くどう・いちろう)が代表取締役を務める株式会社ライフェックスではこれまで、通販・ECをはじめとした、数多くの企業のブランディングの構築から新規獲得、CRMまでを一気通貫で支援し、成功に導いてきた。この連載では、アフターコロナの新規獲得に関するノウハウを、余すところなくお伝えしていきたい。
前回は、商品開発における必要なブランド・アイデンティティ(以下、BI)について述べた。第3回目の今回は、創り上げたBIを認知獲得の取り組みにどのように生かしていくかについて述べる。
構築したBIを、広告やSNS、PRといったマーケティング施策に適切に落とし込んでいく方法をお伝えしたい。
BIを構築して一貫性のある「ブランド体験」を創出する
前回の記事で、商品開発を行う際は、BIを先に決めておくことが重要だと述べた。そして、しっかりしたBIを構築するためにも、商品に対する熱量やオーナーがどういう想いで企画しているのかというブランド理念を考える必要があるとお伝えした。
【前回記事リンク:https://netkeizai.com/articles/detail/6705】今回の記事では、創り上げたBIを軸に、いかにさまざまなブランド体験を創出し、お客さまに提供していくかということについてお伝えしたい。
お客さまに自社ブランドやサービスを購入いただくためには、ブランドの認知を獲得していく必要がある。ただやみくもに、広告やSNSでPRして、新規を獲得していこうとしても、認知は広まらない。他社と差別化する要素が見えないからだ。
ブランドの認知が高まると、それだけでブランドに対する信頼度が上がる。つまりは、購買につながりやすくなる効果が期待できるだろう。
ブランドの認知は前述した「ブランド体験」としてお客さまに伝わっていく。
伝え方については「ブランドエクイティ」の5つをうまく使うと良いだろう。
ブランドを象徴させる5つの「ブランドエクイティ」
「ブランドエクイティ」という言葉は直訳すると「ブランドが持つ資産」という意味だ。意訳すると「記憶に焼き付くシンボル」といった意味で、見たり、聞いたり、触ったりした瞬間に、ブランドの名前を思い出させる象徴的な「何か」のことだ。「ブランドエクイティ」にはさまざまな形があるが、主に次の5つが一般的である。
① ロゴやアイコン② 色③ 音④ 形⑤ キャッチコピーこれらの「ブランドエクイティ」において自社の「ブランド」を感じさせていく。
ブランドを象徴する「5つのエクイティ」を一つ一つ見ていこう。