2022.06.02

【徹底解明<進化するラストワンマイル>】第3回「店舗受取を『便利』から『楽しい』に転換」


店舗受取にサービス付加で便利に


ワークマンのようなFCチェーンではない、ユニクロやしまむらのような直営小売りチェーンも店舗受け取りを促進している。FCチェーンでなくても、ECの顧客を実店舗に誘導するメリットは大きい。実店舗でのついで買いを期待できるし、商品の実物を見て、納得をして購入してもらうことができる。


▲ユニクロは注文から2時間後に店頭で商品を受け取れるサービスも提供

各社は店頭で商品を試着できるようにしたり、キャンセルを受け付けたりするサービスを提供し、店舗受け取りの利用メリットを高めている。

このような取り組みが店舗受け取りの利用者を広げていることは間違いない。ただ、せっかく実店舗に足を運んだ顧客を、もっと楽しませることができる“伸びしろ”があるのではないか。


受取の体験価値高める一手


インフルエンサーのD2Cブランドなどでは、ECで購入した商品の「お渡し会」を店頭で実施するケースがある。自分の好きなインフルエンサーから商品を手渡しで受け取ることができ、一緒に写真を撮ることができるケースもある。極端な事例かもしれないが、これが“店頭受け取りの最高峰”といえるだろう。

インフルエンサーのブランドでなくても、このような顧客が喜ぶ体験を店頭受け取り時に提供することはできないだろうか。アパレルブランドでは、店舗スタッフがインフルエンサー化している。その人気スタッフから直接、購入商品のコーディネート提案を受けることができるといった店舗受け取りイベントも面白そうだ。

食品の場合は、購入商品を活用したアレンジレシピを試食できたり、コスメなら購入商品を生かしたメーキャップ体験を提供したりするという方法もある。体験価値を付加することで、店舗受け取りは一気に“楽しみ”に変わる。

このような特別な体験は、全国の店舗で通常営業時に提供するのは難しいかもしれないが、イベントとして定期的に行うことはできそうだ。全国規模のチェーンよりも中小規模の小売店の方がやりやすい施策かもしれない。

店舗受け取りの次の進化として、体験価値を付加する取り組みは有効だと思う。












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