2021.10.14

【<徹底解明>モール物流戦争の行方】第1回 宅配クライシスと逆行、進む“最安”競争


3大モールといわれる「楽天市場(楽天)」「Amazon」「Yahoo!ショッピング(ヤフー)」の競争における主戦場は、物流サービスになっている。モール物流で先行する「Amazon」に、「楽天」が「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」を本格展開し、配送料で優位性をアピールすると、「ヤフー」はヤマト運輸と提携し、さらに安価な配送料を提示し、巻き返しを図る。「宅配クライシス」では、大手宅配会社が配送料の値上げをEC企業に要請してきたが、モール物流においては当時と逆行する最安値の奪い合いが進む。「モール物流戦争」と呼びたくなるほどの、3つ巴の激しい競争は、始まったばかりだ。取材でEC業界の不透明なテーマを解き明かす新連載「徹底解明」の1stシリーズでは、「モール物流」の競争の行方を占う。



ヤフーは今年4月、ヤマト運輸と提供する物流サービス「フルフィルメントサービス」を刷新し、アマゾンの「フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)」、楽天グループ(楽天)の「RSL」を下回る配送料を発表した。


2020年3月にヤフーとヤマト運輸が物流サービス提供開始。2021年4月にサービスを刷新

三辺の合計が60cm以内となる60サイズの1商品のみの配送料(梱包材・出荷作業費含む)で比較すると、「FBA」が434円から、「RSL」が460円なのに対して、「フルフィルメントサービス」では382円と格段に安い。



宅配便会社であるヤマト運輸が商品の保管から出荷、配達まで一気通貫で管理することにより、「モール物流最安値」の地位を奪取した。各種条件によりコストは異なるものの、この価格はEC事業者にとって魅力的に映っただろう。実際、「フルフィルメントサービス」の利用企業は急速に増えているようだ。

あるEC企業は、「『PayPay』の手数料を有料化したように、ある程度シェアを取ったところで値上げするのではないか心配だ」と話す。それほど魅力的な料金だということでもある。

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