2022.01.27

消費者庁、「クレベリン」に措置命令 大幸薬品は法的措置、弁護士からも疑問の声

「クレベリン スティック ペンタイプ」の商品パッケージ(画像は消費者庁の資料から)


裁判中に措置命令、「三権分立の意味ない」の声も


裁判中にもかかわらず、消費者庁が出した大幸薬品に対する措置命令。消費者庁の判断について、景品表示法に詳しい弁護士からは疑問視する声があがる。

通販・EC事業者の顧問を務める東京神谷町綜合法律事務所の成眞海(せい・しんかい)弁護士は、「行政側は、仮の差し止めについて裁判所の判断が確定するまでの間は、行政処分を控えるべき。そうでなければ三権分立の意味がない」と意見する。

消費者庁が2021年11月に提示した「置き型」のクレベリン2商品の措置命令案については、仮の差し止めが認められている。

これを踏まえ、「除菌効果についてそれなりの根拠はあった可能性もあり、そもそも処分対象として適切であったのか疑問が残る」(成弁護士)。

景表法に詳しい丸の内ソレイユ法律事務所の中山明智弁護士は、「差し止め訴訟判決に先行して措置命令を出したのは、かなり強気な判断という印象」と指摘した。

景表法を含めた通販広告に詳しい薬事法広告研究所の稲留万希子代表は、「(今回の)措置命令の対象となった商品の利用シーンは屋内外を問わない。持ち運ぶことも多い。『置き型』と同じような効果は得にくく、(空間除菌という)表示は誤認を招きやすい」と受け止めている。

先の中山弁護士も「大幸薬品がどのようなエビデンスを提出したのかは把握しかねる」とした上で、「実空間におけるエビデンスがなければ空間除菌はうたうべきではない」と忠告した。





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