2021.11.15

BEENOS、「越境EC世界ヒットランキング」を発表 2021年のキーワードは「世界同時消費」

発表会に登壇したBEENOSグループのメンバー

越境EC流通総額No.1のBEENOSグループのBEENOSは11月10日、2021年の越境ECの消費動向を振り返るランキング「BEENOS 越境EC 世界ヒットランキング 2021」を発表した。BEENOSグループの購買データより2021年の消費傾向を振り返り、「日本発、世界でヒットした商品」を紹介する。消費キーワードに「世界同時消費」を挙げた2021年のランキングでは、「エンタメ」「ファッション」が特に人気を博した。

【<画像43点>発表会で紹介された越境ECのヒット商品はこちら】

新型コロナウィルスによる影響で、2021年も訪日が制限されインバウンド消費が打撃を受ける一方で、越境ECは伸長しており、BEENOSの海外代理購入サービス「Buyee」の2021年第4四半期の流通総額は前年同期比51.2%増で過去最高を更新。アメリカ、台湾からの流通も増加した。動画配信などの共通プラットフォームにより世界同時にヒットが生まれた2021年、リアルタイムで海外の需要を取り込むために世界で同時販売可能な環境づくりが重要と考えBEENOSは、流通額が大幅に伸長した2021年の購買傾向をエリア別で発表することにより、日本企業が「海外に挑戦」するための一助となることを目的に、「BEENOS 越境EC 世界ヒットランキング 2021」を発表した。

BEENOSの直井聖太社長は、「2021年は世界中で展開される共通プラットフォームがより広がった1年だった。コロナ期間中、どれだけ多くの人がNETFLIXやHulu、Youtubeにお世話になったか。コンテンツの消費が世界同時に行われるようになり、モノの消費も世界同時にされることが当たり前になってきた。プラットフォームが世界共通化する流れの中で、コンテンツを作る側や商品を発表する側が世界同時に発信し、世界同時に話題になり、海外で人気になっているということがさらに国内でのヒットにつながる傾向が進んだ」と話す。


BEENOSの直井聖太社長

「Buyee」の購買データに基づき抽出した、日本発、世界で売れている商品のランキングは、1位が「おもちゃ、ゲーム」、2位が「ファッション」、3位が「アクセサリー、時計」、4位が「家電、AV、カメラ」、5位が「自転車、オートバイ」となった。エリア別のランキングでも、全地域で1位が「おもちゃ、ゲーム」、2位が「ファッション」となった。3位以下の地域ごとの違いは、「ヨーロッパ」では5位に「ホビー、カルチャー」がランクインした。「北米」では、3位が「自転車、オートバイ」、4位が「アクセサリー、時計」、5位が「音楽」となった。東南アジアでは、3位が「自転車、オートバイ」、4位が「アクセサリー、時計」、5位が「スポーツ、レジャー」、東アジアでは3位が「家電、AV、カメラ」、4位が「アンティーク、コレクション」、5位が「スポーツ、レジャー」となった。



トピックスとしては、日本の「エンタメ」「ファッション」の世界的な需要の高さ、インフルエンサーやデザイナーズブランドなどの影響で、ファッションにもオタク消費的な傾向が顕著になったこと、コロナ禍で価値観が見直され、現金だけでないモノの価値が高まり「トレーディングカード」「アクセサリー・時計」の需要が上昇したことを挙げた。

ランキングでも上位を占めた「エンタメ」と「ファッション」は、「Buyee」における越境ECの人気二大ジャンルだ。趣味嗜好性の高いロングテール商材は、世界中の顧客にリーチできる越境ECにおいて需要が高くなる傾向があることがから、「エンタメ」「ファッション」は越境ECと相性が良く、流通に結び付きやすいジャンルだとしている。「Buyee」でも例年、流通額が大きい2大ジャンルだが、2019年から2021年の2年間で「エンタメ」関連3.16倍、「ファッション」関連4.82倍と、両ジャンルともさらに流通が拡大した。DXがさらに広がった2021年は、動画配信サイトやSNSなどの共通プラットフォームからの情報発信でファンを増やしたコンテンツやブランドがさらに人気を伸ばした。



「エンタメ」ジャンルで特に伸長した商材は、「トレーディングカード」で、「Buyee」では前年同期比で3.44倍に流通が伸びた。コロナ禍で価値観が見直され、現金だけでないモノの価値が高まり、投資目的での需要が高まったとしている。また、海外対応とローカライズで流通を拡大させているのが「VTuber」関連だ。バイリンガルVTuberに代表されるように、日本では珍しく当初から世界市場を狙ったコンテンツが奏功し、「Buyee」での関連商品の流通は前年同期比18.99倍と急拡大し、海外人気が爆発している。コンテンツホルダー以外でも、「ファミコン」といった関連商品が前年同期比2.34倍で伸長しており、家で楽しめるエンタメ商材に商機が見られるとしている。



ランキングに伴い挙げた2021年の消費キーワードは「世界同時消費」で、2021年もコロナ禍でリアルな移動は制限が続いている一方で、DXやオンラインでのグローバル化が進み、世界はより近づいたとした。「Netflix」で世界同時配信された「イカゲーム」の世界的ヒットなど、コンテンツをきっかけに世界で同時にヒットが生まれたのが2021年の特長だとしている。共通プラットフォームによる世界同時配信やリアルタイムの多言語での翻訳化、ボーダーレスなファンコミュニティによりヒットの時差は縮まり、各国のトレンドと世界のトレンドが相互に影響を与えるようになったことから、国内だけでなく世界で同時に販売できる「EC=グローバル」がさらに重要になったとしている。



日本発の「世界同時消費」の例の一つとして挙げたアニメ「呪術廻戦」は、新作アニメを現地放映とほぼ同時に配信している世界最大級のアニメ配信サイト「クランチロール」で配信された。日本との時差を感じさせないタイミングで海外でもヒットし、「Buyee」での関連商品の流通も前年同期比214.55倍に急拡大した。また、日本と海外でのトレンドの垣根がなくなり、「レトロブーム」は世界に広がり、「アナログ」関連は2.06倍、「チェキ」関連は1.91倍と、「Buyee」での流通も前年同期比で伸長した。こうした「世界同時消費」の背景に、DX、SNSの浸透があり、世界と各国のトレンドは相互に影響を与え合うようになったとしている。





【ランキングの抽出方法】
期間: 2021年1月1日~2021年9月30日
対象:「Buyee」の購買データより独自に算出





regi

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