2021.08.11

BEENOS、「2021年上半期 越境エンタメ トレンドレポート」発表 「動画配信コミックス」「シティポップ」など人気

海外向け代理購入サービス「Buyee(バイイー)」を運営するBEENOSは8月5日、2021年上半期に世界で人気を集めたJapanコンテンツの傾向を振り返る「2021年上半期 越境エンタメ トレンドレポート」を公開した。「Buyee」の購買データをもとに算出した、海外で人気の日本のエンタメを「本」「音楽」「グッズ」のジャンル別に紹介しており、「動画配信コミックス」「シティポップ」「トレカ」「VTuber」などが人気を博している。

BEENOSは、2021年1月1日~6月30日に「Buyee」で落札・購入された商品の購買データから独自に算出した、「2021年上半期 越境エンタメ トレンドレポート」を発表し、2021年上半期に世界で人気を集めたJapanコンテンツの傾向を振り返った。



「鬼滅の刃」の世界的ヒット、世界中から熱視線を浴びるトレーディングカード、英語圏のファンからの圧倒的な支持を得るVTuber事務所「ホロライブプロダクション」、「シティポップ」と呼ばれる竹内まりやさん、松原みきさんなどの名曲の人気が海外で再燃するなど、2021年上半期は、日本のコンテンツを「推す」世界のファンからの熱い想いが消費に表れたとしている。その理由として、ステイホームにより日本のコンテンツに接する時間が増えファンの層が広がったこと、新型コロナウィルスの感染拡大の影響によりDXが急速に進み、コンテンツを通じてボーダレスに世界のファンがつながり、コミュニティ内の熱狂が消費を動かしたことを挙げた。


「鬼滅の刃」は世界的ヒット

コロナ禍で世界的にステイホームが求められる中、「巣ごもり消費」が海外でも伸びており、「Buyee」の2021年第2四半期の流通総額は、前年同期比+45.6%と大きく伸長した。中でも「エンタメ」ジャンルの人気が高まったとし、世界で人気を集めたJapanコンテンツをトレンドレポートとして公開することで、日本のエンターテインメント企業の海外進出の参考にしてほしいとし、日本のエンタメ業界の海外での流通拡大への貢献を目指す考えを示した。


海外で人気の本は「動画配信コミックス」と「BL」


「本」ジャンルでは、大ヒットした国民的アニメ「鬼滅の刃」が世界でも人気を集めるなど、日本のアニメがさらなる注目を集めた。コロナ禍の巣ごもりで配信サービスでの動画視聴が増加し、「鬼滅の刃」を始め、「進撃の巨人」(34巻)や「呪術廻戦」(0巻)、「東京卍リベンジャーズ」など、その原作となるコミックスも好調な販売を見せた。最新刊はもちろん、「鬼滅の刃」全23巻の大人買い、関連商品である文房具やフィギュアも購入するなど、送料を考慮した越境ECらしいまとめ買いが目立ったとしている。

また、「BL(ボーイズラブ)」ジャンルが世界的にも注目され、タイや中国のドラマが日本でも話題となった。「BL」の歴史が深い日本の作品も海外で人気となり、主にアメリカ、中国、台湾エリア、タイなどから購入されている。2020年にドラマ化された「チェリまほ」の愛称で知られる人気BLマンガで主演を務めた赤楚衛二さんが表紙を飾るTV雑誌「My TV Style 8月号」は、発売前から話題となり、特に台湾エリアから問合せが殺到した。「Buyee」と連携しているハイブリッド型総合書店「honto」では、「BL」ジャンル読者の高い関心・購買意欲を満たす、欲しい情報と充実したアイテムが満載の“BLの沼”のような専門フロア「すわんぷ」を開設している。

現在の状況について「honto」の担当者は、「日本国内でも大ヒットした『鬼滅の刃』が海外のお客様からも熱い支持をいただきました。以前は、日本でヒットしてからコミックスが海外で発売され、そこから他国でも人気が出るというようにタイムラグがあったのですが、コロナ禍の巣ごもり需要で動画配信サービスが浸透したため、日本で流行っているコンテンツが海外でもリアルタイムに人気が出るようになりました。同じコンテンツでも売れ方の違いは、日本では最新刊が売れますが、海外ではまず始めの1巻からや、全巻まとめてご購入されるというケースが多いですね。「BL」関連は、日本が元祖と言われていますが、タイや中国でのドラマのヒットや民放テレビでのドラマ化も相まって、敷居が下がり、お買い求めいただけるお客様の層が広がりました」とコメントした。

同時に紹介している「honto」で購入しているユーザーのデータから見る、Japanコンテンツを愛する顧客の傾向では、アメリカからの購入が最も多く、次いでオーストラリア、台湾エリアとなっている。イギリスやドイツ、フランスといったヨーロッパ圏の顧客も「honto」での買い物を楽しんでおり、リトアニアやマルタ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦から購入しているケースもあったという。男女比はほぼ半々で、年代層は20代が最も多く、30代、40代と続き、中には90代の利用者もいた。

購入されている本は、コミックスや芸術・アート、趣味に関するものが多く、児童書では日本語の学習本も人気を集めた。特に趣味に関しては、手芸や歴史モノなど同じテーマの関連本を複数購入する研究熱心な人が目立った。また、本以外でも、日本のアーティストやアイドルのCDやDVD、Blu-ray Discなどを購入しており、日本のコンテンツを紙の本やCDでコレクションしたいという想いが表れているとしている。Japanコンテンツとコラボしたノートやボールペンなど、安価で品質の良い日本の文房具や、グラノーラ、カップラーメン、インスタントコーヒー、出汁などの日常食品を購入する人も多く、日本のアイテムで生活を彩りたいという想いを感じる結果となったとしている。


海外で人気の音楽は「シティポップ」


「音楽」ジャンルでは、主に1970年代後半から1980年代にかけて日本で流行した、都会的なサウンドが特徴のポップス楽曲「シティポップ」の人気が国内外で再燃している。動画サイトやSNSなどでは、曲の持つ洗練された雰囲気が「新しい!」と評価され、さらに韓国人DJがクラブで「シティポップ」の定番曲を流すなどムーブメントの仕掛け人となり、日本だけでなく世界で流行中の一大ジャンルとなっている。



「Buyee」では、2021年上半期の「シティポップ」関連商品の流通量が、前年同期比2.24倍に伸長。中でも竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」、松原みきさんの「真夜中のドア~stay with me」、大貫妙子さんの「都会」が人気を集めまた。 越境ECでは特にLPレコードが売れており、ジャケットや音質が高く評価され、日本特有の「パッケージ文化」を象徴するレコードが海外のコレクター心をくすぐっているとしている。



現在の状況について、「タワーレコード」の担当者は、「コロナ前は訪日されたお客様がタワーレコードの店頭で日本のレコードをまとめてご購入され、スーツケースにたくさん詰めて帰国されるようなケースもよくありました。中には、まだプレイヤーは持っていないけれども、レコードのアートワークに惹かれてご購入され、ご自宅に飾っているお客様もいらっしゃいましたね。訪日できない今は、店頭ではなくオンラインの越境ECを通じて日本の音楽を楽しんでいただいています。動画サイトやストリーミングサービスでは配信されていない楽曲もありますし、それ以上にレコードならではの温かくふくよかな音質が魅力で、それも含めて“モノ”として手に入れたいというお客様に越境ECをご活用いただいています。配信主流の海外では、日本独自の『パッケージ文化』を非常に魅力的に感じていただけるんですよ。国内外での『シティポップ』の人気を受けて、名曲をオリジナル&カバーで1つに集約したコンピレーションCDも発売中です」とコメントした。


海外で人気のエンタメグッズは「トレーディングカード」「VTuber」


趣味性の高いロングテール商材は世界中の消費者にリーチできる越境ECにおいて需要が高くなる傾向があり、越境ECと相性が良く、流通に結び付きやすいジャンルだという「エンタメ」商品では、世界中から熱視線を集めるトレーディングカードの需要が高まり、特典カードが入った限定商品の需要が白熱した。2021年上半期、「Buyee」では「トレーディングカード」関連商品の流通量が前年同期比2.42倍、流通金額に至っては4.51倍に伸長した。



また、クリエイターによる創作の総合マーケット「BOOTH」では、世界的にも有名なVTuberのグッズが好調で、アメリカからの注文が殺到した。中でもVTuber事務所「ホロライブ」所属の「桐生ココ」、英語圏VTuberグループ「ホロライブEnglish」所属の「がうる・ぐら」のグッズが人気で、誕生日を記念したジャージパーカーやアクリルパネルなどの売れ行きが好調だった。VTuberは海外のリアル店舗での購入が難しいため、日本のコンテンツと希少性の掛け合わせがファンの熱気と流通を生み出したとしている。


「桐生ココ」

現在の状況について、「BOOTH」の担当者は、「『BOOTH』は創作でつながるクリエイターズマーケットです。クリエイターの想いがこもった創作物が集まるマーケットプレイスで、誰でもかんたんに作品の販売と購入ができることが特徴です。海外では特にVTuberグッズが売れています。従来あった『動画配信ではボーダレスにコンテンツが視聴できるのに、そのグッズは日本でなければ手に入りにくい』という状況が『Buyee』によって解消され、海外でも日本のグッズを手に入れたファンの方々にご好評いただけているようで純粋に嬉しいですね!今後も『BOOTHによって販売がかんたんに行えて、さらにBuyeeによって海外発送がかんたんに行える』という土壌が、海外にファンを持つクリエイターさんの世界に向けたグッズ販売の支えとなることを期待しています」とコメントした。


【日本推しな顧客の声】

・Luさん(中国)
ジャズに興味があり、レコードのコレクションをしています。以前は日本以外のサイトで買ってましたが、品質があまりよくありませんでした。「Buyee」だと日本発の商品のため、レコードの状態は大体綺麗なので、安心して買い物できます。

・Monaさん(オランダ)
日本のロボットのアニメが好きです。越境ECでは、日本のCDやレコード、フィギュアをよく購入しています。オランダでは入手が難しい商品でも「Buyee」なら見つけることができます。また金額が安いこともポイントで、同じ商品でもオランダで買うよりも半額ほど安く購入できることもあります。コロナの前に日本に旅行したことがあるのですが、常に欲しい商品はあるのでコロナ前から「Buyee」でネットショッピングをしていました。

特にレコードが大好きで、日本で直接買ったものと越境ECで買ったものなどを合わせて、現在合計173枚の日本のレコードを持っています。レコードの魅力はなんといっても音質とジャケットです。動画サイトでも音楽は聴けますが、レコードは音に温かみがありなめらかで、まるで目の前で演奏してくれているみたいです!ジャケットのアートワークがゴージャスで、コレクター魂をくすぐられますね(笑)

・Kiittiさん(タイ)
子供のころから日本の文化に惹かれていて、特に漫画、アニメが好きです。小さい頃はお金がなかったので、大人になってようやく買えるようになったので、昔買えなかった物を買おうと思っています。「Buyee」を使っているのは便利だからですね。あとはタイで買おうとすると高くなってしまうので、その点でも魅力を感じています。





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