2021.07.04

楽器販売大手「イケベ楽器店」、新店舗でライブコマースやオンライン接客 オムニチャネルの拠点として活用

渋谷店の内装(左)、配信に対応するスタジオ(右上)やデジタルサイネージ(右下)を設置

池部楽器店は2021年3月に開設した渋谷の新店舗で、オムニチャネルの取り組みを強化している。新店舗では配信によるライブコマースやオンライン接客にも対応して、販売を促進している。

2020年12月からオンライン接客を開始した。現在、オンライン接客に対応しているのは、アコースティックギター、エレキギター、エレキベースが中心だ。やり取りはマンツーマンで、完全予約制を採用している。


渋谷店でもデジタルサイネージでオンライン接客を再現

実際の音を伝えたり、カメラで楽器をアップに映して木目や状態を確認できるようにした。初心者にはきれいな音の出し方やこつを伝えている。利用者によっては接客が2~3回になるという。オンライン接客を行った人のネット通販のコンバージョン(CV)率は8割を超えているという。

店舗に併設しているスタジオでは、メーカーと協業し、アーティストが登場する楽器紹介の配信イベントも実施している。


配信イベントを行うスタジオ

コロナ禍の「おうち時間」を充実させるために、楽器の演奏を始める人が増加。同社の2020年8月期のEC売上高は前期比17%増となった(売上高は非公開)。

販売が好調だったのは、ギターとアンプのセットや、オーディオインターフェース、電子楽器。電子ピアノは例年の2倍ほど出荷数が増加している。オンライン事業部の浦中健一郎部長は、「コロナ禍でメーカーの製造が止まり、楽器や機材に必要な半導体の供給が遅れるといった事態もあり、今後は安定した供給ラインを確保することが重要」と話す。

2021年2月からは、CRMを導入している。顧客の購入履歴などの情報に基づき、週に一度の頻度でアプリとメルマガでプッシュ通知し、顧客につなげている。


「イケベ楽器店」
https://www.ikebe-gakki.com/




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