2021.05.15

アートサブスク「Curina」、資金調達で全米展開へ

朝谷実生CEO

Curinaは、米国ニューヨークに拠点を置き、現代アートのレンタルサブスクリプションサービス「Curina」を展開している。2021年3月には、8000万円の資金調達を発表し、米国全土での展開を開始した。

芸術鑑賞を趣味として嗜んでいた朝谷CEOは、米国コロンビア大学在学中に、コロンビア大学やニューヨークのトップアートスクールの卒業生たちとともに、Curinaを起業したのだという。

「Curina」は、購入価格が10万~500万円ほどの現代アート作品を月額制でレンタルできるサービス。月額38ドル、88ドル、148ドルのプランがあり、最短3カ月からレンタルを開始できる。登録アーティストは約120人おり、作品数は1500点以上だという。作品は丁寧に厳選。質の高いキュレーションを心掛けているという。配送料無料で、自宅やオフィスに作品を届けているという。


「Curina」のECサイト

会員はレンタル期間終了後、作品を購入することも可能だ。それまで支払ってきた月額費用の総額を引いた価格で購入できるという。

アートのEC市場はこれまで、アートに精通した玄人向けか、選択肢が多すぎるECサイトかに二極化される傾向があり、初心者層にはハードルが高かったという。同サイトでは、ハードルを低くすることにより、「アートに興味があるが、何から始めていいか分からない」という潜在的な顧客層へのアプローチに成功している。

「Curina」の会員は、9割が20~30代と若い。その半数以上は、人生で初めてアートをレンタル・購入した人だという。

コロナ禍の巣ごもり需要も追い風になっているそうだ。2020年3月の、ニューヨークロックダウン時には、翌月の売り上げが前月比で5倍になったという。

2021年3月には、8000万円の資金調達を発表した。ベネッセホールディングスの福武英明取締役、起業家・エンジェル投資家の有安伸宏氏、CAMPFIRE(キャンプファイヤー)の家入一真社長、クラウドワークスの吉田浩一郎社長、ユーザベースの梅田優祐取締役といった投資家やアートコレクターが投資を行ったという。同社では、調達した資金を利用し、全米へのサービス提供に向けて体制を整備していくという。さらに今後は、米国だけでなく、日本をはじめとした世界各国での展開も検討しているそうだ。


「Curina」
https://www.curina.co/



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