2020.11.06

【最短でリピーターを倍増させるCRMノウハウ】第5回 来訪促進と見込みフォローのCRM施策が最優先といわれるワケと鉄板シナリオ15選

アドブレイブ 中村隆嗣 執行役員


来訪促進施策の例


リピーターの来訪促進に効果的な施策は業種によって違いはあるものの、ある程度共通して効果的な施策は存在します。いくつか例をご紹介します。

なお、顧客アンケートでリピート購入しない理由として最も多い回答は「特に大きな理由はない」です。ですから、地道な取り組みの組み合わせが、「特に大きな理由はないのでリピートしない」から「リピートしたい」に変化することにつながります。


① 関連商品:過去の購入商品に関連した商品を案内することで、再来訪の促進になります。関連商品の判別は過去の購買データをもとに割り出します。

② 新商品発売:過去の購入商品と同一カテゴリーの新商品の案内です。

③ ランキング:売れ筋ランキングは購入判断の参考になるため来訪促進の効果があります。たくさんのカテゴリーを扱うECサイトの場合は、顧客が興味を持つであろうカテゴリーを自動判別して、そのカテゴリーのランキングを紹介してあげると効果的です。

④ 誕生日:誕生日の顧客に対してお祝いメッセージをおくるのとともに、クーポンやポイントなどのインセンティブを紹介します。

⑤ ポイント明細:顧客の保有ポイントとともに、レコメンドシステムで顧客別のおすすめの商品を紹介します。

⑥ ポイント有効期限:顧客のもつポイント有効期限が近づいたタイミングで顧客別に生成したおすすめ商品とともに通知すると効果的です。

⑦ 再入荷:顧客が閲覧した商品が完売してしまった後に、再入荷の案内を通知します。完売商品を閲覧した顧客に対しても、再入荷のタイミングで通知する施策です。

⑧ 残りわずか:顧客が閲覧した商品の在庫数が残りわずかになったタイミングで、顧客に通知する施策です。

⑨ 期間限定セール/特典:これは王道です。顧客がメルマガを購読する理由として最も多い回答はこういったインセンティブです。不定期で案内することにより再来訪につながります。

⑩ 季節提案/限定キャンペーン:季節の変化は消費者の行動が変わるタイミングです。季節にあわせた提案をすることで再来訪のきっかけとなります。

 

見込みフォロー施策の例


閲覧データや行動データの活用で購入しそうになった顧客を判別し、自動的にフォローする施策です。普段は気づかない機会損失を防ぐことで驚くほど大きな売り上げの底上げ効果をもたらします。

 
① カゴ落ち:カゴに商品を入れるという行動は、もっとも見込み客の判別に役立ちます。過去に入れたにもかかわらず購入しなかった顧客に、なるべく早くアプローチすることで高い確率で購入につながります。

② 商品ページ閲覧:実は商品ページの閲覧も見込み度の把握に非常に重要な情報です。サイトに来訪してわざわざ商品を探して詳細ページを閲覧している顧客は、見込み度の高い顧客です。閲覧ページ数や閲覧時間も把握することで、さらに見込みの高い顧客を判別することができます。

③ お気に入り登録:お気に入りに登録するという行為はその商品が欲しいという意思表示ですから、こういった情報は見込み客の判別に役立ちます。忘れずにフォローしましょう。

④ 再入荷通知の申込:完売商品の再入荷通知を申し込んでいる顧客に対し、再入荷のタイミングで自動通知する施策です。配信母数は少ないですが非常に効率的に購入を促進できます。

⑤ 複数回訪問:短期間に何度もサイト来訪している顧客は非常に見込み度の高い顧客です。こういった顧客を自動的に検知してレコメンドを送信することで高い確率で購入を促進できます。


まずはアクション!実現に向けて行動するかしないかが勝負の分かれ道


上記に挙げたような施策は言葉で説明するのは簡単ですが、実現するためにどういったデータをどう取得して、どう活用するか、どんなタイミングでどんなコンテンツをどう生成して配信するかなど考えるべきことはたくさんあります。ほぼ100%に近い方がこの段階でつまずいてしまい、実行に移すことができません。

しかし、こういった施策を実行するか否かによって、リピーターの獲得に大きな差が出てしまうことも事実です。そしてそれは、事業規模の差にダイレクトに影響するため、ビジネスにとって死活問題になります。多くの顧客が支持しているAmazonなどのプラットフォームでは、当たり前のように実現しています。顧客にとっても、こういったショップからのコミュニケーションは当たり前になりつつあります。あなたの自社サイトはどうでしょうか。この現実から目をそらすか、しっかりと受け止めたうえで、どうすれば実現できるのかという視点でアクションするのか、EC事業者は迅速に考えて判断しアクションをとることが求められています。



【著者プロフィール】

株式会社アドブレイブ
執行役員 中村隆嗣(なかむらたかつぐ)

2003年に株式会社北国からの贈り物に入社。自社サイトの立ち上げ期から参画しマーケティング責任者として月商3億円を超える成長まで導く。2014年株式会社メディックスに入社し、年商2500億規模の大手製薬会社や外資系アパレルブランド、アジアTOP3化粧品メーカーなど、メーカー直販ECの事業コンサルティングおよびCRMプロジェクトを手がける。コンサルティング先で多く見られたCRMの課題を解決すべく、2018年にアクションリンクを立ち上げ、2019年アドブレイブに執行役員としてジョインし現在に至る。


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