2020.02.20

楽天、「優越的地位の乱用」回避へ 「送料込み」に名称変更、退店支援策も

決算説明会で「送料施策」について解説する三木谷浩史社長


【記者の目】”楽天のリスク”説き、店鋪に理解求める


楽天の三木谷浩史社長は、「送料込み施策」がアマゾンへの対抗策としてやらなければいけない取り組みであるということを強調した。楽天としてもリスクを犯して店鋪支援に注力していることを説明することで、店鋪に理解を求めていると感じた。

三木谷社長は、「ルールを変更する際に100%の店鋪が全部ハッピーならいいが、それは難しい。しかし、これをやらないと全部の船(『楽天市場』)が沈んでしまう」と説明。

他にも「楽天のエコシステムで3000億円分のポイントを生み出して必死で『楽天市場』を支えているが、そのうち限界が来る。送料がバラバラだと買いにくい。店鋪の売り上げが沈んでいく」とも話した。

さらに「当初は『アマゾンプライム』と同じくらいの送料込みライン(2000円)にできたらすごいことになると思ったが、店鋪の声を聞くと経済的に難しい」と店鋪の状況を考慮し、ルールを緩和した経緯も説明した。

本当は物流やりたくなかった


物流サービスについても「もともと自社物流はやりたくなかった。資金がたくさんかかる。しかし、2年前に物流クライシスがあり、宅配会社は荷物を受け取らないし、配送料を倍にするという。これでは店鋪が耐えられないと思い、覚悟を決めて2000億円を投資すると決めた。物流は大赤字だが、それでもやる」と自らも身を削っていることを強調した。

過去の事例を引き合いに出し、「従量課金制の導入時もさまざまな反発があった。しかし、従量課金を導入したからこそ『楽天市場』が2兆円、3兆円という流通総額を生み出している。今回は楽天がもうかるという話ではなく、店鋪がもうかることをやろうという話だ」とも説明し、理解を求めた。


「楽天市場」

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