2024.08.27

【ヤフーショッピングの現状は?】GMVは8.3%増 LYPプレミアムと売り場作りが鍵

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畑中基執行役員

「PayPay」懸念点への対処法は?


ーー「超PayPay祭」などで還元する「PayPay」ポイントが「ヤフーショッピング」でないところで使われているという懸念点もある。今後どう対処していくのか?

「PayPay」がここまでの経済圏を築けたのは、「PayPay」がどこでも使用できるという”縛り”をなくしたからだ。LINEヤフーとしては、ユーザーが「ヤフーショッピング」で「PayPay」ポイントを使用していただけるよう、より一層魅力ある売り場を作っていかなくてはいけない。

また、「5のつく日」で付与していた「PayPay」ポイントを「ヤフーショッピング商品券」に切り替える施策も実行している。こうして「ヤフーショッピング」に還元できる仕組みを構築していく。 

ーー「PayPay」に関しては、今すぐ「PayPay」ポイントを利用できる「今すぐ利用」も開始した。反応はどうか?

2024年3月までは、特定の日のみ「今すぐ」利用を適用していたが、同年4月から毎日利用できるように変更した。実証実験を通じて、反応が良かったため、切り替えることにした。

実際に4月から常時利用可能にしたが、ストア・消費者からの反応も良い。売り上げ・CVR(購入率)などの数字面でもポジティブな変化が表れている。現金値引きのような見え方にになるため、安く見えるのだろう。


ソーシャルギフト開始の背景は?


ーー「ヤフーショッピング」において、ソーシャルギフトの提供も開始した。提供開始の要因は?

それはやはり”ギフトを気軽に送ってほしいから”だ。私もヤフーとLINEが統合するときに、「ヤフーショッピング」側の責任者として、2社でどのようにシナジーを作っていくかの議論の場に参加した。

「ヤフーショッピング」において、以前より購入者が商品の注文先を自分の自宅ではなく、別の住所に設定していることが多かった。そのため、もう少し「ギフト」を贈りやすくすれば、さまざまなニーズに対応できる。中元・歳暮・母の日・誕生日などのイベントのときに気軽にギフトを送ってもらえることを目指している。 

ーーLINEヤフーとしては、ソーシャルギフトサービス「LINEギフト」も提供している。「LINEギフト」と「ヤフーショッピング」の関連性についてはどう考えているか?


「LINEギフト」は当日にギフトを贈るという当日需要が高い。一方、「ヤフーショッピング」は当日ではなく、少し前の日に届ける、そして購入時に「PayPay」ポイントがたまるため、その点で使い分けしてもらいたい。 

ーーソーシャルギフトサービスの提供が「ヤフーショッピング」のさらなるGMVの増加につながると考えているか?

つながると考えている。コマースカンパニーとして、「LINEギフト」と「ヤフーショッピング」の二つの存在が、会社の成長にもつながる。

「LINEギフト」は「LINE」でつながっているため、関係性が近い友人に贈る場合が多いと思っている。相手の好みを把握していることが多いため、何を贈ればいいか分かる。一方、「ヤフーショッピング」では、そこまで距離が近くない人にギフトを贈る場合が多い。友人だけでなく、職場の人や取引先、ちょっとした関係の人にプレゼントを贈る人も多いだろう。「ヤフーショッピング」でギフトを贈る人は、多くの商品から当たり障りのない、普遍的に人気のある商品を送る人が多いだろう。

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