2024.09.11

日傘は男性向け市場も拡大 SNSやリアルでタッチポイント創出【洋傘メーカーのEC動向<日傘・晴雨兼用傘編>】

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男性にも広がっている日傘。猛暑が続く今シーズンは販売に力を入れる通販・EC企業が増えている。「日傘」の検索でウェブから得られる情報は均一的だが、ECサイトも手掛ける洋傘メーカーの製品には機能性やこだわりが詰まっている。

自社製品の特徴をより伝えるため、SNSの活用や小売店での施策に力を入れ、顧客とのタッチポイントを創出している事例も目立ってきた。低価格を売り物にした日傘も多くある中、こだわりの詰まった良質な傘を届ける各社の動向をまとめた。


日傘市場の拡大余地は大きい


多くのメーカーが自社製品の特徴について、「遮光・遮熱率99.9%以上」と説明し、雨傘としても使える晴雨兼用傘が主流となっている。近年はシンプルなデザインで、カラーはベーシックやパステル系の人気が高まり、各社もこのニーズに応えているようだ。

傘の機能性、こだわりに目を向けてもらうため、SNSを活用して情報を拡散しているほか、百貨店などの売り場でも手にしてもらう施策に取り組むメーカーも増えてきた。一方的に特徴を伝えるのではなく、顧客とコミュニケーションを図りながら、ECでの売り上げにもつなげているようだ。

潜在顧客へのアプローチも進める。メーカーの1社によると「日常的に日傘を使用しているのは女性で2人に1人、男性は100人に1人程度。市場拡大の余白はある」と期待を寄せる。

日傘を手にしてもらい、顧客との接点を増やしていかに製品のファンになってもらえるか、各社の取り組みが進む。


【CONTENTS】
▼シューズセレクション、直営店・EC限定品も 今年はクラファンなど展開
▶オーロラ、「東レ サマーシールド」を使用 SNSで評判、EC限定品は完売に
▶ワールドパーティー、商品画像や特集で訴求 男性用日傘は累計100万本販売
▶柴田、独自性高い1本を提供 インスタからECに流入も
▶ムーンバット、婦人売り場に紳士傘も 5万円など幅広く商品訴求
▶ニフティカラーズ、晴雨傘を秋冬使用も提案 ファッション感覚で商品選び


シューズセレクション、直営店・EC限定品も 今年はクラファンなど展開


「Water Front」のブランド名で、洋傘を製造・販売するシューズセレクションは、ドラッグストアやコンビニの販売ルートのほか、オンライン限定商品を販売している。安価でも長く使える傘としてユーザーに支持されている。

2022年に販売を開始した晴雨兼用傘「COKAGE+」は、直営店舗とオンライン限定だ。遮熱遮光生地「東レ サマーシールドⅡ」を傘生地に採用。同様の生地を使用した商品が1万円以上する中で、販売価格を7000円台に抑え、購買層の拡大を目指した。人に贈りたいと思わせる、丸みのあるフォルムに仕上げたという。

今年は機能性の発信と認知力の向上に注力した。クラウドファンディングで新商品のマーケティングを図ったり、アフィリエイターやインフルエンサーから機能性の高さを発信してもらったりした。

ジャンプタイプやファッションに馴染むカラーなど、ラインアップの拡充も行った。執行役員CSO・今井啓太氏は「頼れる1本に出会えていない方に」とすすめている。


▲「COKAGE+」を持つ執行役員CSO 今井啓太氏

直営店舗での購入者のリピート率は15~20%としている。2024年5月度の「楽天ショップ・オブ・ザ・マンス」ではバッグ・小物・ブランド雑貨ジャンル賞を受賞している。

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