2024.04.05

パル、高機能な物流施設を稼働 ロボット50台導入、注文処理や高密度保管は従来比3倍

写真左からアッカ・インターナショナル 代表取締役社長 秀洋一氏、大和ハウス工業 東京本店 建築事業部 事業部長 村上泰規氏、パル 取締役 専務執行役員 堀田覚氏、Exotec Nihon アジアパシフィック地域 取締役社長 立脇竜氏

パル、アッカ・インターナショナル、Exotec Nihonは4月3日、パルの直営オンラインショッピングサイト「PAL CLOSET(パルクローゼット)」において、フルフィルメント効率化、および顧客体験の向上のための施設「PAL CLOSET Robotics Solution Center」の稼働開始を発表した。倉庫内業務自動化ソリューションを活用し、物流の2024年問題への対応を強化した。

パルグループホールディングスはグループ企業としてパル、ナイスクラップ、マグスタイルなど、ファッション関連のアパレルおよび雑貨の企画製造小売を擁する企業集団。国内927店舗(2023年2月末現在)とECプラットフォームを通して、50以上のブランドを展開している。

パルはこのほど、直営オンラインショッピングサイト「PAL CLOSET」において、フルフィルメント効率化、および顧客体験の向上のための施設「PAL CLOSET Robotics Solution Center」の稼働開始を発表した。物流の大動脈である東名厚木インターにほど近い場所に位置する大和ハウス工業の物流施設「DPL平塚」に、従来複数サイトに分かれていた物流拠点を集約する。

「PAL CLOSET Robotics Solution Center」は、アッカ・インターナショナルが提供する倉庫管理システム「ONE」、およびECデータ管理システム「ALIS」による在庫管理の最適化を実現。およそ2300平米の倉庫に、Exotecが提供する「Skypodシステム」を導入し、倉庫の天井高に合わせた5メートルのラック(保管棚)を設置。約2万5000の保管コンテナに商材を保管し、従比3倍の高密度保管を達成している。さらに約50台のロボットにより、従来比3倍の注文処理や、1つのシステムでのECの個配送と店舗向け配送の同時処理の実現といった特徴を備える。

アパレルや日用雑貨を取り扱う小売業界は、大きな変革の時を迎えており、コロナ禍の巣ごもり需要によるeコマースの急伸、オムニチャネルのさらなる複雑化、2024年問題等の課題への対応と平行し、企業にとって移り変わりの激しい消費者ニーズに対して迅速に対応し、事業を持続的に成長させるための戦略立案が急務となっている。

約50の多様なブランドを持ち、1000店近い店舗、独自のECサイトを展開するパルにとって、今回新たに稼働を開始した先進の「PAL CLOSET Robotics Solution Center」は、持続的な成長戦略に基づく事業拡大に伴い顕著化したさまざまな課題を解決し、「魅力ある商品と心躍る購買体験をベースとし、常にあたらしいファッションライフの提案を通じて社会に貢献する」というパルグループのミッションを具現化するための中核施設となる。

アッカ・インターナショナルは、パルのEC物流業務の多くを受託しており、急伸するパルの事業と要望を満たす倉庫ロボティクス・ソリューションとして、Exotecの「Skypodシステム」を「PAL CLOSET Robotics Solution Center」の中核システムとして選択した。

Exotecは、パル、アッカ・インターナショナルと協業し、「Skypodシステム」の設計、施工、導入支援を実施。倉庫の入出庫パフォーマンスを継続して発揮するため、コントロールセンターによる24時間365日の遠隔監視、高度なメンテナンスサービスを提供する。

「PAL CLOSET Robotics Solution Center」は、出庫のさらなる効率化に向け、近くシステムの増強を実施する予定としており、引き続き3社のパートナーシップを強化し、物流業務の最適化と効率向上を目指す考えを示した。

「PAL CLOSET Robotics Solution Center」の稼働開始に伴い、パル 取締役 専務執行役員 堀田覚氏は、「パルにとってEC事業は、企業価値を押し上げるためのドライバーであり、物流はそれを安定的に支える基盤です。事業成長で顕著化した倉庫面積や人員確保等の課題に対し、先進の物流ソリューションを備えたPAL CLOSET Robotics Solution Centerを活用し物流業務を効率化することが、更なる顧客満足度の向上と、より一層の事業成長を見込む経営計画の実現に不可欠な要素でした」と述べた。

アッカ・インターナショナル 代表取締役社長 秀洋一氏は、「当社は、ECデータ一元管理連携システムや倉庫管理システム、ECバックヤード業務の独自プラットフォームの強みを生かし2014年以来、パル社のECおよび物流業務の多くを支援しています。パル社の従来の物流拠点は事業成長に対するキャパシティーが不足しており、最新の物流施設である『DPL平塚』への集約と、市況変化に柔軟に対応ができる次世代の倉庫システムの導入を提案しました。PAL CLOSET Robotics Solution Centerの中核であるExotec社の『Skypod』システムは、パル社のように取り扱う物量が多く、瞬発力が必要なEC事業者にとって最適なソリューションと考えています」とコメントした。

Exotec Nihon アジアパシフィック地域 取締役社長 立脇竜氏は、「当社の『Skypodシステム』は、市場ニーズの変化に臨機応変に対応し、B2BとB2Cの注文処理を1つのシステムで行うことができる唯一の倉庫自動化トータルソリューションであり、物流を他社との差別化要因とし、事業成長の要に据える多くの日本の優良企業に採用されています。今回当社はアッカ・インターナショナル社と綿密に協業し、『Skypodシステム』をパル社に提供しました。ECを事業成長のドライバーと捉え急伸するパル社に採用されたことは、Skypodシステムが唯一無二の倉庫ロボティクス・ソリューションとして、日本の物流業界において更に認知されたことを意味しています。今後もパル社、アッカ・インターナショナル社とのパートナーシップを更に強固なものとし、事業拡大を支援します」とコメントした。




RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事