2024.02.13

【国内アパレル経営者最年少上場】yutori 片石貴展社長に「5年で上場の経緯」「今後の展望」を聞いた

片石貴展社長


複数のストリートブランドを展開するyutoriは2023年12月27日、東京証券取引所グロース市場へ上場した。片石貴展社長は現在30歳で、国内アパレル企業の経営者の中では、最も若くして株式上場を果たした。片石社長は「上場がゴールではない。今後も荒削りな若者ブランドを買収したり、アパレル以外の商材へ進出したりして、さらにyutoriを大きくしていく」と意気込みを示す。片石社長に上場までの経緯や事業モデル、今後の展望などについて聞いた。



――国内アパレル企業において、最年少社長での上場となった。もともと30歳で上場すると決めていたのか?

自分が30歳になる2023年までに上場すると決めていた。2020年にZOZOにグループ入りしたときに、本格的にこの時期での上場を目指した。


▲2023年12月27日、東京証券取引所グロース市場へ上場。写真中央が片石貴展社長

 ――ZOZOとの資本業務提携の経緯について伺いたい。

2020年にZOZOと資本業務提携を締結したのだが、理由はいくつかある。2020年は新型コロナウイルスが拡大した時期で、純粋に私の感覚として、「あ、これやばいな」と感じたときだった。

資金調達をするべく、いろいろな人たちと話をしたときに、「ZOZOとは一緒にやった方が相互補完できるのではないか」と感じるようになった。yutoriの若年層の消費トレンドに関する洞察力やSNSマーケティングの知見と、ZOZOの特質すべきシステム面とプラットフォームの強さが合わさる。それぞれで成長するのが難しくても、両社の強みが掛け合わさることで、両社ともさらなる事業成長につながると思った。

――ZOZOグループに入ったことで、ZOZOから大きなサポートを受けることができたのか?

ZOZOから特段大きなサポートは受けていない。「ZOZOTOWN」においても配送面の手厚いサポートなどはなく、他の出店者と同じ条件で店舗を運営している。

 ――売り上げを見ると、2022年3月期が16億3100万円、2023年3月期が24億7000万円だった。2019年3月期が1600万円だったことから、この5年間で急成長を遂げている。要因は何なのか?

近年でいうと、ブランドを吸収し、それを多くの“面”で販売したことが良かったのだろう。

当社は「ハグレモノをツワモノに」というメッセージを掲げている。ファッションブランドをまとうことで、未知の才能を持つ”ハグレモノ”が、そのズレを強さに反転できることを目指している。

2018年に創業し、その後、2022年にはファッションブランド「F―LAGSTUF―F」を取得した。さらに同年、「Younger Song」など八つのブランドを展開するA.Z.Rも吸収合併した。ECでの販売だけではなく、実店舗も全国に13店舗(2023年9月時点)展開しており、顧客との接点を増やしたことが、売り上げの拡大にもつながったと考えている。



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