2024.01.31

【有識者に聞く!2024年のEC市場展望】リーガルエックス 関山翔太代表「健康志向高まるも法規制続々」

テーマ:機能性表示食品


機能性表示食品制度や景品表示法などに詳しい、リーガルエックスの関山翔太氏は、2024年の機能性表示食品市場について、「健康意識の高まりを受け、引き続き好調に推移する」と予想している。一方で、「順守すべき法規制も数を増している」とも指摘している。



2024年の健康食品や機能性表示食品のEC市場は、引き続き成長を遂げる見通しだ。消費者の健康意識の高まりが市場拡大の大きな要因となっている。

特に注目されているのが、「免疫ケア」を訴求したプラズマ乳酸菌関連商品だ。キリングループ全体では、2027年までに免疫ケア訴求のブランドで500億円の市場規模を目指しているという。このことからも、免疫ケア市場の需要が急速に拡大していることが見て取れる。

女性の健康に特化した「フェムケア」も注目されている。日本初の、「月経」に関する機能性を訴求した商品の発売も予定されている。消費者の多様なニーズに応えることにより、市場はさらに成長していきそうだ。

一方で、薬機法や景品表示法などの規制への対応が、事業者にとって重要な課題となっている。昨年、ステルスマーケティング(ステマ)規制が施行され、事業者やプラットフォーマーは新たな表示基準への対応に追われた。「さくらフォレスト事件」では、機能性表示食品の広告表示に対する科学的根拠が問題視され、同一の根拠を有する88製品全てが届け出撤回に追い込まれた。これは、事業者にとって衝撃的な出来事だった。規制への正確な理解と適切な対応が、今後さらに重要になることを示している。

昨年5月に可決された改正景表法が、今年中に施行される予定だ。この改正法では、「確約手続き」が導入された。確約手続きは、事業者が、是正措置計画を作成し、それが認定されると、措置命令や課徴金納付命令が発出されなくなるという制度だ。その他、罰則規定の拡充も盛り込まれている。事業者は自らが行う表示に関して、より注意深く検討する必要がある。

健康食品や機能性表示食品のEC事業者は、市場の拡大の一方で、「終わりのない規制への対応」という継続的な課題に直面している。これからの市場では、消費者の健康に対する期待に応えるのはもちろん、規制順守を通じて、高い信頼性を提供してくことがますます求められていくだろう。






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