2024.01.26

【有識者に聞く!2024年のEC市場展望】全日本SEO協会 鈴木将司代表理事「SGE導入で専門的な記事がより重要に」

テーマ:「SEO」


一般社団法人全日本SEO協会で代表理事を務める鈴木将司氏は、今後グーグルからの流入拡大を図るためには、専門家が関与した記事の重要度がさらに高まるという。2024年のEC企業向けのSEO対策の展望について解説してもらった。


2023年、「ChatGPT」というテキスト型の生成AIが急速に普及した。「ChatGPT」を使ってテキストコンテンツを作成することで、ライティングのスキルが高くない担当者でも迅速に質の高いテキストコンテンツを作成できる。それらを自社サイトやブログ、ECサイトに使用することが可能になった。

これにより、これまで企業に負担を強いていたコンテンツ作成の手間が緩和されるのではないかという観測が広がった。

検索エンジン最大手のGoogleが、この動きをほとんど無効化するような手を打った。その施策とは、グーグルの検索結果ページの最上部に独自の生成AIによる「答え」を表示する「SGE(Search Generative Experience、生成AIを活用した新しい検索体験)」と呼ばれるものだ。

Googleは創業以来、検索結果ページにウェブサイトへのリンクを貼ってきた。しかし、「ChatGPT」の影響により、検索結果ページからリンクを貼っている各サイトへ遷移せず、いきなり答えが見られる検索エンジンに生まれ変わろうとしている。

「SGE」はまだ試験的な機能だが、すでにテスト版を公開しており、誰でも手続きをすればすぐに使える。2024年2月から海外のグーグルでは「SGE」が正式導入され、生成AIによる答えが検索結果ページの最上部に表示されるようになる。通常のサイトへのリンクはその下に表示されるため、自社サイトへのアクセス数は減少することが予想される。国内でも2024年中に正式公開される予定である。

この動きにECサイト運営者はどのように対応するべきなのか。Googleは公式サイトで、「ChatGPT」などの生成AIを使用してテキストコンテンツを書いても良いが、必ず「専門家が関与している記事であること」、または「経験が反映された記事であること」を取り入れるべきだと提案している。

AIと人間による競争はすでに始まっており、人間はAIに負けないために自らの専門性に磨きをかけなければいけない。もしくは経験を記事に反映するため、さまざまなものに挑戦をして経験を積む必要があるということだ。

高い意識を持ち生成AIを活用することで、混沌としたAI時代を生き延びることができる。ユーザーにとって価値あるコンテンツに満ちたサイトを持つことができれば、ウェブマーケティングを成功に導くことができるはずである。





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