2023.12.12

ぱんどら、第三者割当増資による資金調達実施 物流マッチング「PANDORA LOGI」の機能拡充

物流マッチングサービスを提供するぱんどらは12月11日、塚本郵便逓送をリードインベスターとした第三者割当増資を実施し、新規投資家2社と個人投資家2名からの資金調達を行ったと発表した。調達した資金は、物流マッチングプラットフォーム「PANDORA LOGI」の機能拡充、人材の獲得などに活用する。

ぱんどらは、EC事業者における「無駄」をなくすための“超伴走型”の物流マッチングサービスを提供。物流事業者(3PL事業者)単体では対応が難しい、EC事業者の「スムーズなビジネス拡大」を支援している。

物販分野におけるEC市場は年々増加傾向にあり、それに比例し宅配便取扱個数も増加。配達方法や物販の種類の多様化も進んでいる。物流事業者、特に3PL事業者を取り巻く環境は年々厳しくなっており、利用者のニーズの高まりに加え、2024年問題による輸送機能の低下、ガソリン代や物価の高騰など外部環境の著しい変化、利益率が低くビジネスの不透明性が高いといった課題が顕著になるなど、継続的な企業運営の難易度が非常に高くなっている。



こうした課題に対するEC事業者の認識は未だに低いままだとし、ぱんどらは、EC事業者を影で支える3PL事業者に対して貢献でき、「ただ安い」だけではない、EC顧客、EC事業者、3PL事業者それぞれにとって適正な取引を可能にするためのプラットフォーマーを目指している。

このほど、既存投資家である塚本郵便逓送をリードインベスターとし、新規引受先である大阪デリバリー、角川流通倉庫、他2名の個人投資家を引受先とした第三者割当増資による資金調達を実施した。

今回調達した資金は主に、組織体制の強化、加盟企業拡大、「PANDORA LOGI」の機能拡充に活用する。組織体制の強化では、特にD2Cと物流の双方領域に知見と経験を持つコア人材の獲得に取り組む。加盟企業の拡大では、営業活動、販促網を広げるためのマーケティング費用として充当する。



EC事業者と物流倉庫が利用する「PANDORA LOGI」の機能開発においては、情報を入力するだけで全国の物流倉庫から即時自動見積もりが表示される機能の実装や、物流倉庫の請求書発行業務を効率化するためのAPIによる自動計測システムなどを追加していく予定としている。

今回の資金調達を経てさらに認知を拡大させ、EC事業者の潜在的な損失を未然に防ぎ、3PL事業者に対して最高効率の案件提供ができるよう進んでいく考えを示した。

ぱんどら 代表 香西優氏は、「物流業界にはさまざまな課題があり、各社が日々改善に取り組んでいる現状ですが、それだけではこの現状は打破できないところまで来てしまったと、物流業界全体としてEC化の波にどう耐えていくか、という議論が日々巻き起こっています。一方で、EC事業者側は『CPAの高騰』『販売自由度の低下』『大手プラットフォームの原価率逼迫』など、簡単に商品が売れる時代でなくなってきており、『製品設計』や『マーケティング戦略』がないと、良い商品を持っていても潰れてしまう世界観となってしまっているのが実情です」とし、両者がそれぞれの思惑でぶつかってしまっては、共倒れになり、「労働者・消費者・企業」それぞれに甚大な悪影響が出てしまうことになるとの見解を示した。


▲ぱんどら 香西優代表

「ぱんどら」では、こうした両者の課題を解決するべく、「物流を全方位した独自のアプローチ」を行うことで、「EC事業者の売上を上げて、かつ、コストを引き下げる」「物流事業者の利益も引き上げることができる」プラットフォーマーとしてサービス提供しており、EC事業者・物流事業者の両面から物流を見つめ、業界課題を明確にして適正なDXを実践し、物流の中小企業が一丸となって物流業界の改革に取り組むことで、倉庫作業者の給与が上がらない・人気がない、倉庫業の新規参入が難しい、適正な条件で取引ができていない、寡占状態である個人宅向け配送、EC事業者の売上が上がらない・黒字倒産してしまうといった課題をパートナーともに解決し、業界を牽引できる存在になっていきたいとの考えを示すとともに、「今回の出資をキッカケに事業提携を進め、ぱんどら経済圏の拡大を目指してまいります」とコメントした。

今後は、プラットフォーマーとしての成長に伴い、案件紹介だけではなく、汎用システムの共有や格安資材などの提供、保証金の肩代わり、倉庫内業務改善のコンサルティングなど、さまざまな面において企業運営を支援するシステム構築を行っていくとしている。

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