厚生労働省、薬のネット販売を全面解禁 2025年以降、要指導薬も認可へ

厚生労働省はこのほど、薬剤師による対面販売を義務付けていた要指導医薬品においても、2025年以降に非対面で販売できるようにする見通しを明らかにした。2014年に一般用医薬品のネット販売を解禁していた。コロナ禍の2020年には、一定の条件のもとで医師の処方が必要な医療用医薬品のネット販売も認めていた。今回の要指導医薬品の認可により、医薬品のネット販売が全面解禁されることになる。

医師の処方箋が必要なくなって間もない風邪薬などを、ネット販売ができる一般用医薬品にすぐに移行するのはリスクが高いとして、要指導医薬品という分類が設けられた。コロナ禍に、よりリスクの高い医療用医薬品のネット販売が条件付きで認められたことで、要指導医薬品のみがネット販売できない状態となっていた。

今後、専門家の会議を経て、薬剤師がビデオ通話で服薬指導を行うことを条件に、要指導医薬品のネット販売を認める方向で検討するという。一部の医薬品は例外的に対面販売の義務化を維持する見通しだ。

一方、乱用のリスクがある依存性の高い一部の薬については、規制を強化すべきとの議論もある。未成年の複数購入を禁止したり、薬剤師によるビデオ通話を義務付けたりする、新たなルールを設けることも検討する。