2023.10.31

シャープ、倉庫向けロボットストレージシステムを披露 天井高生かす専用棚採用

シャープはこのほど、倉庫の収納力拡大とピッキング作業の効率化を実現し、倉庫運営における生産性向上に大きく貢献する「ロボットストレージシステム」を開発し、11月10日から開催する自社技術展示イベント「SHARP Tech-Day」にて初披露する。天井高を生かす専用棚と最大5.3mの高さでのコンテナ移載が可能な自動搬送ロボットで、収納力の拡大や作業の効率化を支援する。

シャープの開発した倉庫向け「ロボットストレージシステム」は、品物を格納する専用棚を建物の天井高に合わせて設計。デッドスペースになりがちな倉庫上部の空間を有効活用することで収納力を拡大し、季節や需給状況により変化する在庫量に合わせた柔軟な対応を実現する。

自動搬送ロボットは、バランス設計により高所のコンテナの移載にも対応。最大5.3mの高さに収納されたコンテナもぐらつきを抑えて取り出し、ピッキング作業者のもとまで運搬する。上下に伸びたフレームは、長さを5.3mから3.6mの間で伸縮できる可変式のため、防火シャッターや梁などにより高さが限られる場所もくぐり抜けて走行することができる。

独自の集中制御システム「AOS(AGV Operating System)」により、最大500台までの自動搬送ロボットを一元管理でき、最短経路などを算出し、最適な配車を行う。ピッキング作業者は、目の前に運ばれてきたコンテナからピッキングするだけなので、作業を大幅に効率化するとともに人為的ミスの抑制にも貢献する。

11月10日~12日の期間、東京ビッグサイトにて開催する自社技術展示イベント「SHARP Tech-Day」において、「ロボットストレージシステム」初披露する。同イベントでは、「ロボットストレージシステム」のほか、量子コンピューティング技術を活用した組み合わせ最適化処理(量子アニーリング)による、自動搬送ロボットの多台数同時制御や倉庫運用の革新的な効率化を実現する技術開発への取り組みなど、物流業界の課題解決に資する新たな提案を行うとしている。

物流業界では、ECの拡大などを背景に物流量の増加や人手不足が深刻化している。さらに2024年4月より、ドライバーの年間時間外労働時間に上限が定められることから、業務効率化は喫緊の課題となっており、倉庫運営においてはロボットを活用した自動化へのニーズが急速に高まっているとし、「ロボットストレージシステム」により倉庫の収納力拡大とピッキング作業の効率化を実現し、倉庫運営における生産性向上に貢献を図った。




RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事